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レポート
column

2022/01/06

レポート:EIA週間原油統計(2022年1月6日)

ダイジェスト

・原油在庫は214万バレル減少
 原油生産量は日量1180万バレルで前週から横ばい
 輸出入では輸入量が588万バレル、輸出量が255万バレルで333万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は89.8%で0.1%上昇、原油処理量は16万バレルの増加
 Adjustmentによる在庫調整は今週は増加側で調整量は23万バレル
・ガソリン在庫は1012万バレル増加
(生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)となり、輸入量の増加と輸出量の減少で在庫増加へ転じる
 ガソリン生産量は161万バレルの大幅減少、輸入量は16万バレル増加
 ガソリン出荷量は155万バレルの大幅減少、輸出量は14万バレル減少
・留出油在庫は441万バレル増加
 (生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)となり出荷量と輸出量の減少で在庫増加へ転じる
 留出油の生産量は3万バレル増加、輸入量は5万バレル増加
 留出油の出荷量は32万バレル減少、輸出量は48万バレルと減少
・原油と石油製品を合わせた在庫量は17億8840万バレルで前週より880万バレルの増加
・オクラホマ州クッシング在庫は257万バレル増加した3730万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率は49.0%
・石油製品の出荷量は255万バレルの減少となり好調さの目安である日量2000万バレルを割り込んだ
・OPECプラスは年明け1月4日に会合を開き2月の増産量を日量40万バレルに決定、次回会合は2月2日の予定

EIA週間統計の総評

 日本時間1月5日24時半にEIAから週間在庫統計が発表された。原油在庫は214万バレルの減少となった。製油所の稼働率は前週比で0.1%上昇した89.8%となり、原油消費量は前週比で16万バレル増加した1586万バレルとなった。原油相場は新型コロナウイルス・オミクロン株への警戒感の後退と株式の上昇を材料に上昇した。EIA在庫が在庫を発表するとガソリン在庫の大幅増加を材料に下落したが、すぐに買い戻されている。終盤、FOMCの議事録公開で早期利上げ観測が高まった事から売られて上げ幅をほぼ削り横ばいで引けた。石油製品ではガソリン在庫が1012万バレルの大幅、留出油在庫は441万バレルの増加となった。WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの原油在庫は257万バレル増加した3730万バレルとなった。
 原油生産は日量1180万バレルとなり前週から横ばい、原油輸入量は前週比で87万バレル減少した日量588万バレル、輸出量は日量37万バレル減少した日量255万バレルとなり輸出入全体としては333万バレルの輸入超過となっている。ガソリン高に対応するため戦略備蓄(SPR)が19万バレル放出されている。原油と全ての石油製品を合わせた在庫は17億8840万バレルと前週比で880万バレルの増加となった。

原油と石油製品の在庫(表1)

 表1は過去4週間分の結果を示している。原油の在庫は214万バレル減少した4億1790万バレル、ガソリン在庫は1012万バレルと大幅増加した2億3280万バレル、留出油在庫が441万バレル増加した1億万2680バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は257万バレル増加した3730万バレルだった。

API統計EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)640減214減375減471減458減
ガソリン(万バレル)710増1012増145減553増71減
留出油(万バレル)440増441増172減39増285減
クッシング在庫(万バレル)257増105増146増129増
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)

 図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)とを比較している。原油在庫、ガソリン在庫、留出油在庫全てで過去5年間の在庫レンジの下限近くとなっており、特に原油在庫は過去5年の在庫レンジを明らかに下回っている。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と表3)

 表2は原油の生産量と輸出入についてまとめている。原油生産量は日量1180万バレルで前週から横ばいだった。原油輸入量は前週比で87万バレル減少した日量588万バレル、輸出量は前週比で37万バレル減少した255万バレルで333万バレルの輸入超過となった。Adjustmentは需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)のつじつまを合わせて相殺するために需給の計算に加えられる。今週の統計のAdjustmentは先週から86万バレル増加した23万バレルとなり在庫を増加させる形で加わっている。

原油生産と輸出入今週前週2週前3週前4週平均前年
同時期
原油生産(万バレル/日)118011801160117011721100
戦略備蓄増加(万バレル/日)-19-19-36-27-250
原油輸入(万バレル/日)588675619647632536
原油輸出(万バレル/日)255292287364300363
Adjustment(万バレル/日)23-63-1321-749
表2 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している

 アメリカの原油輸入国上位10か国の国別内訳と前週からの輸入量の増減は表3の通り。今週はブラジル、ロシア、トリニダード・トバゴからの原油輸入量が増加した一方で、カナダ、メキシコ以下多くの国からの輸入量が減少した。

輸入国輸入量(万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ380403-23
メキシコ2264-42
サウジアラビア4160-19
コロンビア618-12
イラク2226-4
エクアドル930-21
ブラジル126+6
ロシア150+15
ナイジェリア55+-0
トリニダード・トバゴ70+7
表3 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

 表4は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。製油所稼働率は前週から0.1%上昇した89.8%となり、製油所への原油投入量は前週比で16万バレル増加した日量1586万バレルとなった。石油製品の生産ではガソリン生産は前週から161万バレルの大幅減少した日量850万バレル、ジェット燃料生産は前週から6万バレル増加した日量155万バレル、留出油生産は前週から3万バレル増加した日量496万バレルだった。

製油所稼働率等今週 前週2週前3週前4週平均前年度
同時期
原油投入量(万バレル/日)158615701581156715761437
製油所稼働率(%)89.889.789.689.889.780.7
ガソリン生産(万バレル/日)  85010119941004965801
ガソリン輸入(万バレル/日) 594368495544
ジェット燃料生産(万バレル/日)155149147145149114
ジェット燃料輸入(万バレル/日)11115251314
留出油生産(万バレル/日)   496493485481489478
留出油輸入(万バレル/日)  211620452530
表4 石油製品生産量(供給) (出展元 EIA)
石油製品供給(日量、需要)(表5)

 表5は主要石油製品の出荷量(需要)と輸出量の内訳一覧となる。ガソリン出荷量は前週から155万バレルの大幅減少となった日量817万バレル、ジェット燃料の出荷量は前週から13万バレル減少した日量146万バレル、留出油の出荷量は前週から32万バレル減少した日量373万バレルだった。

石油製品
出荷量(日量)
今週 前週2週前3週前4週
平均
前年
同時期
ガソリン出荷(万バレル/日)817972898947908744
ガソリン輸出(万バレル/日)476182626388
ジェット燃料出荷(万バレル/日)14615914616015391
ジェット燃料輸出(万バレル/日)1413926165
留出油出荷(万バレル/日)373405382489412294
留出油輸出(万バレル/日)8112911777101123
表5 石油製品出荷量(需要) (出展元 EIA)
石油製品需給(日量)

 原油の需要側では製油所稼働率が前週から0.1%上昇した89.8%となり、原油消費量は前週より16万バレル増加した日量1586万バレルだった。
 主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で161万バレルと大幅減少した日量850万バレル、輸入量は16万バレル増加した日量59万バレルだった。ガソリンの出荷量は前週比で155万バレルの大幅減少となった日量817万バレル、輸出量は前週から14万バレル減少した日量47万バレルだった。ガソリンの生産量の減少は、出荷量の減少とほぼ相殺したが、輸入量の増加と輸出量の減少で、ガソリン在庫は1012万バレル増と大幅な在庫増加へ転じた。
 次に留出油は生産量が前週から3万バレル増加した日量496万バレル、輸入量は前週から5万バレル増加した日量21万バレルだった。留出油の出荷量は前週から32万バレル減少した日量373万バレル、輸出量は前週から48万バレル減少した日量81万バレルとなった。生産量はやや増加したものの、輸入量の増加に加えて出荷量と輸出量が減少したため、441万バレルの在庫増加とへ転じた。
 ジェット燃料生産量は前週から6万バレル増加した155万バレル、出荷量は前週から13万バレル減少した146万バレルとなった。
 石油製品全体の出荷量(需要)は前週比で255万バレル減少した日量1966万バレルとなり、石油製品消費の好調さの目安の一つであるとなる日量2000万バレルを割り込んだ。今週は原油在庫が214万バレル減少、ガソリン在庫が1012万バレル増加、留出油在庫が441万バレルの増加となった。ガソリンや留出油だけでなく、灯油や重油、エタノールなど全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比で880万バレル増加した17億8840万バレルとなった。

石油製品価格(表6と表7)

 表6はニューヨーク港渡しの石油製品のスポット卸売価格となる。ガソリンの卸売価格は2週間で約5セントの上昇、ディーゼル燃料の卸売価格は2週間で約10セントの上昇だった。年末のため原油価格は非公開となっている。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
12/3112/2412/1712/1012/3前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.274非公開2.2082.2252.037非公開
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
2.327非公開2.2202.2582.096非公開
原油
(ドル/バレル)
非公開非公開70.9371.7166.39非公開
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)

 表7は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果となる。今週のガソリン小売価格、ディーゼル燃料の小売価格は共に横ばいだった。

小売価格1/3 12/27 12/20 12/13 12/6 前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.2813.2753.2953.3153.3412.249
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.7463.7433.7633.7763.8002.639
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
4.0124.0084.0244.0394.0632.895
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
3.6133.6153.6263.6493.6742.640
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)

今後の見通し

 アメリカの原油生産量は前週から横ばいの日量1180万バレルだった。需要面では製油所稼働率が前週から0.1%上昇した89.8%となり、原油消費量は16万バレル増加した日量1586万バレルだった。原油輸入量は前週比で日量87万バレル減少した日量588万バレル、輸出量が37万バレル減少した日量255万バレルとなり、333万バレルの輸入超過となっている。原油輸入量と輸出量が共に減少、消費量は増加、原油在庫は214万バレルの減少と在庫減少幅が減少した。
 ガソリンは生産量が161万バレルと大幅減少、ガソリン輸入量は16万バレルの増加となった。ガソリン出荷量は155万バレルの大幅減少、ガソリン輸出量は14万バレルの減少となった。ガソリンの輸入量の増加と輸出量の減少でガソリン在庫は1012万バレル増と大幅増加となった。留出油は生産量が3万バレルの増加、輸入量は5万バレルの増加となった。一方出荷量は32万バレルの減少、輸出量が48万バレルの大幅減少となった。生産量はやや増加したものの、出荷量と輸出量が増加したため留出油在庫は441万バレルの在庫増加へ転じた。燃料価格では卸売価格はクリスマス前との比較でガソリン価格が約5セント、ディーゼル燃料価格が約10セントの上昇となった。小売価格はガソリン価格、ディーゼル燃料共に横ばいだった。
 全ての石油製品の出荷量は日量255万バレル減少した1966万バレルとなったが、石油製品消費の好調さの目安である日量2000万バレルを割り込んだ。ガソリンやディーゼル燃料に加えてエタノールや液化プロパンなど全ての石油製品と原油を合わせた在庫は880万バレル増加した17億8840万バレルとなった。
 OPECプラスは1月4日火曜日に会合を開催し、市場の予想通り2月の増産量は日量40万バレルで据え置かれた。次回の会合は2月2日の予定となっている。アメリカでは新型コロナウイルス・オミクロン株への懸念が後退し、景気回復や労働市場の好調さを背景に株価の上昇が支援材料となり原油価格も上昇が続いている。今週末に雇用統計があるため米国株の動向に注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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