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レポート
column

2022/04/11

レポート:4月のUSDA需給報告と今後の見通し(2022年4月11日)

 

ダイジェスト

・大豆(アメリカ)
 2020/2021年シーズンは全ての項目で据え置き
 2021/2022年シーズンでは供給面は据え置き、需要面では輸出需要が0.25億ブッシェル引き上げられた21.15億ブッシェル、それに伴い需要全体が0.25億ブッシェル上方修正された44.37億ブッシェルに、期末在庫が0.25億ブッシェル引き下げられた2.60億ブッシェル

・コーン(アメリカ) 
 2020/2021年シーズンは全ての項目で据え置き
 2021/2022年シーズンはエタノールが需要が0.25億ブッシェル引き上げられた53.75億ブッシェルとなったが、飼料用需要が0.25億ブッシェル引き下げられた56.25億ブッシェルとなり需要変化は相殺され需要全体は149.35億ブッシェルで据え置き、期末在庫も14.40億ブッシェルで据え置き

・世界需給
 大豆はブラジル産が200万トン引き下げられた1億2500万トン、アルゼンチン産は4350万トンで据え置き据え置き、パラグアイ産が110万トン引き下げられた420万トン
 中国向け需要が300万トンの引き下げ
 コーンはブラジル産が1億1600万トンで200万トンの引き上げ、アルゼンチン産は5300万トンで据え置き
 中国向け需要が300万トンの引き下げ
・ブラジルのConabは7日に穀物報告を発表、大豆の予想生産量は1億2430万トンで30万トンの引き下げ、コーンの予想生産量は1億1560トンで330万トンの引き上げとなった。これらはUSDAの予想を下回る
・アルゼンチンのブエノス・アイレスの穀物取引所の予想する大豆の生産量は4200万トン、コーンの生産量は4900万トン

・ロシアによるウクライナ南部への攻撃で黒海沿岸からの穀物・油脂用植物輸出が不可能となっている
・ウクライナの2021/2022年シーズンの小麦の収穫、2022/2023年の作物の作付は絶望的

総評

 USDAは日本時間4月8日25時に4月の穀物の需給報告を発表した。今回の報告では主に輸出の増加で大豆の期末在庫が0.25億ブッシェル、コーンの期末在庫は据え置きとなった。発表後には期末在庫の引き下げと輸出需要の増加を材料に大豆相場が上昇し、コーン相場は大豆へつれ高となった他、ウクライナの輸出が減少するとの見方が支援材料となった。

需給-大豆-

 表1が大豆の2020/2021年シーズン(旧穀)と2021/2022年シーズン(新穀)の需給見通しとなる。

           2020/2021年
シーズン
(旧穀)
予想
(4月時点)
2021/2022年
シーズン
(新穀)
見通し
(3月時点)
2021/2022年
シーズン
(新穀)
見通し
(4月時点)
作付面積(万エーカー)      834087208720
収穫面積(万エーカー)826086308630
単収(ブッシェル/エーカー)51.051.4051.40
期初在庫(億ブッシェル)5.252.572.57
生産量(億ブッシェル)42.1644.3544.35
輸入(億ブッシェル)0.200.150.15
供給合計(億ブッシェル)47.6147.0747.07
消費合計(億ブッシェル)45.0444.2244.47
 内圧砕(油)(億ブッシェル)21.4122.1522.15
 内輸出(億ブッシェル)22.6120.9021.15
期末在庫(億ブッシェル)2.572.852.60
平均価格(セント/ブッシェル)108013251325
表1 大豆の需要と供給見通し(出展元 USDA)
*2020/2021年の内、実測値である作付面積、収穫面積、単収、期初在庫以外は推定値
*2021/2022年の内、作付面積、収穫面積、単収、期初在庫は推定値

今月の報告での大きな変化は以下の通り。
2020/2021年シーズンは供給面、需要面共に全て据え置きとなった。
2021/2022年シーズンでは供給面は全て据え置き、需要面は輸出需要が0.25億ブッシェル引き上げられた21.15億ブッシェル、需要全体も0.25億ブッシェル上方修正された44.47億ブッシェルとなった。修正に伴い期末在庫が0.25億ブッシェル引き下げられた2.60億ブッシェルとなった。また、予想価格は据え置きだった。

需給-コーン-

 表2はコーンの2020/2021年シーズン(旧穀)、2021/2022年シーズン(新穀)の需給見通しをそれぞれ前月の報告と比較している。

           2020/2021年
シーズン
(旧穀)
予想
(4月時点)
2021/2022年
シーズン
(新穀)
見通し
(3月時点)
2021/2022年
シーズン
(新穀)
見通し
(4月時点)
作付面積(万エーカー)      907093409340
収穫面積(万エーカー)823085408540
単収(ブッシェル/エーカー)171.4177.0177.0
期初在庫(億ブッシェル)19.1912.3512.35
生産量(億ブッシェル)141.11151.15151.15
輸入(億ブッシェル)0.020.020.02
供給合計(億ブッシェル)160.55163.75163.75
消費合計(億ブッシェル)148.21149.35149.35
 内飼料用(億ブッシェル)55.9856.5056.25
 内工業・種子・食品用(億ブッシェル)64.7067.8568.10
  内エタノール用(億ブッシェル)50.3353.5053.75
 内輸出(億ブッシェル)27.5325.0025.00
期末在庫(億ブッシェル)12.3514.4014.40
平均価格(セント/ブッシェル)453565580
表2 コーンの需要と供給見通し(出展元 USDA)
*2020/2021年の内、実測値である作付面積、収穫面積、単収、期初在庫以外は推定値
*2021/2022年の内、作付面積、収穫面積、単収、期初在庫は推定値

今月の報告での変化は以下の通り。
2020/2021年シーズンは供給面、需要面共に据え置きだった。
2021/2022年シーズン共に供給側は全ての項目で据え置かれた。需要側ではエタノール用需要が0.25億ブッシェル引き上げられたが、飼料用需要が0.25億引き下げられたため消費全体では据え置きだった。このため期末在庫も据え置きとなった。コーンの予想価格は15セント引き上げられた。

大豆

 2021/2022年シーズン(新穀)の世界の予想生産量は前月の3億5380万トンから300万トン引き下げられた3億5072万トンとなった。主要国生産国ではアメリカ産が1億2071万トンで据え置き、南米ではアルゼンチン産が4350万トンで据え置き、パラグアイ産が110万トン引き下げられた420万トン、ブラジル産が200万トン引き下げられた1億2500万トンとなった。
 需要側では世界全体の消費量が前月の3億6368万トンから180万トン引き下げられた3億6188万トンとなった。主要輸入国では中国の需要が300万トン引き下げられた1億0870万トン、欧州需要は5万トン引き上げられた1742万トン、東南アジア需要が1万トン引き下げられた1024万トンだった。


4月7日にはブラジルのConabからも予想生産量が発表された。表3はUSDAの予想との比較となっている。ブラジルでは最南部以外の収穫作業はほぼ終了している。大豆生産予想はやや減収となった。USDAの予想は200万トンの引き下げだった。

ブラジル(トン)
USDA4月予想1億2500万トン(200万トン↓)
Conab4月予想1億2240万トン(30万トン↓)
表3 USDAとConabの予想の比較(筆者調べ)

アルゼンチンの予想生産量の比較は表4の通り。現地では乾燥や霜の懸念が出ているが、予想生産量は据え置かれている。

アルゼンチン(トン)
USDA4月予想4350万トン
ブエノス・アイレス穀物取引所4200万トン
ロサリオ穀物取引所4050万トン
表4 USDAと穀物取引所の予想の比較(筆者調べ)
コーン

 2021/2022年シーズン(新穀)の世界の予想生産量は前月の12億0614万トンから430万トン引き上げられた12億1045万トンとなった。主要生産国ではアメリカ産は3億8394万トンで据え置き、アルゼンチン産も5300万トンで据え置き、ブラジル産が1億1600万トンで200万トンの引き上げ、南アフリカ産が1630万トンで据え置き、ロシア産も1523万トン据え置き、ウクライナ産も4190万で据え置きだった。
 世界の予想需要は前月の11億9662万トンから50万トン引き上げられた11億9715万トンとなった。主要輸入国のうちエジプトが1620万トンで据え置き、欧州が7980万トンで据え置き、日本は1565万トンで20万トンの引き下げ、メキシコは4420万トンで据え置き、韓国は1175万トンで10万トンの引き下げだった。最大の消費地である中国の需要は2億9100万トンで300万トンの引き下げとなった。


ブラジルのConabからも予想生産量が発表されている。表5はUSDAの予想との比較となっている。Conabの予想では2期目のコーン(サフリナコーン)の増収予想により330万トン収穫予想が引き上げられた。USDAは200万トンの引き上げだった。

ブラジル(トン)
USDA3月予想1億1600万トン(200万トン↑)
Conab3月予想1億1560万トン(330万トン↑)
表5 USDAとConabの予想の比較(筆者調べ)

アルゼンチンの予想生産量の比較は表6の通り。大豆と同様に現地では乾燥や霜の懸念が出ているが、予想生産量は据え置かれている。

アルゼンチン(トン)
USDA4月予想4350万トン
ブエノス・アイレス穀物取引所4900万トン
表6 USDAと穀物取引所の予想の比較(筆者調べ)

今後の見通し

 4月のUSDAの需給報告ではアメリカ産大豆の輸出需要は引き上げられたものの、中国の予想需要が大豆・コーン共に300万トンの引き下げとなった。
 アメリカでは大豆・コーン共に2020/2021年シーズンと2021/2022年シーズンの供給面は据え置きだった。需要面では大豆の輸出需要が0.25億ブッシェル引き上げられた21.15億ブッシェルとなり、需要全体も同量の引き上げだった。これに伴い期末在庫が0.25億ブッシェル引き下げられた2.60億ブッシェルとなった。一方、コーンは2021/2022年シーズンの需要面でエタノール需要が0.25億ブッシェル引き上げられた53.75億ブッシェルとなったが、飼料用需要が0.25億ブッシェル引き下げられた56.25億ブッシェルとなったことで相殺され、需要全体は149.35億ブッシェルで据え置きとなった。これに伴い期末在庫も14.40億ブッシェルで据え置きとなった。注目のコーンの輸出需要に変化はなかった。
 世界需給では南米産地の生産量修正を反映した。大豆の2021/2022年シーズンではブラジル産が200万トンの引き下げ、パラグアイ産が110万トン引き下げとなった。世界全体では300万トンの供給引き下げだった。一方、コーンではサフリナコーンの生産量予想が引き上げられたブラジル産が200万トンの引き上げとなり、世界全体で430万トンの供給引き上げとなった。今月もブラジル、アルゼンチンとも現地の公的機関の予想が、USDAの予想生産量を下回り続けている。一方、需要面では新型コロナウイルスの流行が広がっている中国で大豆需要、コーン需要共に300万トンの引き下げとなった。
 ロシアによるウクライナ侵攻で、黒海沿岸から輸出されるロシア産とウクライナ産のコーンの供給が止まっている。同様に供給の止まっている小麦相場はコーン相場に、ヒマワリ油は大豆油相場経由で大豆相場への影響が出ている。侵攻の長期化で今年のウクライナの農作業が、穀倉地帯である東部や南部を中心に絶望的となっており、相場への影響が長続きしそうだ。この他、大豆とコーンの最大需要地である中国で新型コロナウイルスの大流行とロックダウンによる需要減の影響が出始めている。続報に注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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