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レポート
column

2022/04/12

レポート:南米の大豆とコーンの収穫、アメリカの作付状況(2022年4月12日)


ダイジェスト

・ブラジルの大豆の収穫は約8割終了
・ブラジルの2期目のコーンの作付はほぼ終了したが、5月からの乾季を前に降水量が減少傾向にあり干ばつの恐れ
・アルゼンチンのブエノス・アイレス穀物取引所は降霜による被害の可能性を警告、大豆の収穫率は全体で約4.4%、主要生産地で約19%。コーンの収穫率は全体で約14%、主要生産地で約50%
・ブラジルConabの発表する予想生産量は大豆が1億2240万トン(前月比30万トン減)、コーンが1億1560万トン(前月比330万トン増)
・アルゼンチンのブエノス・アイレス穀物取引所が発表した予想生産量は大豆が4200万トン、コーンが4900万トンで据え置き、同ロサリオ穀物取引所の発表では大豆が4000万トン、コーンが4750万トン
・アメリカのクロッププログレスレポートで作付率の公開が始まっている。コーンの作付率は2%、大豆は未発表

概要

 今日はブラジルとアルゼンチンの天候および収穫、2期作目の作付状況についてレポートする。加えてアメリカのクロッププログレスレポートを解説する。

作付状況

ブラジル

 大豆の80.4%の収穫が終了した。マト・グロッソ州、マト・グロッソ・ド・スル州、ゴイアスでは収穫がほぼ終了した。パラナ州では83%の収穫が終了。地元当局は収穫量を1150万トン(前年1980万トン)と見積もっている。バイア州では70%の収穫が終了。前年には及ばないものの収量は良好と報告されている。リオ・グランデ・ド・スル州では19%の収穫が終了した。作柄の最も悪い畑では収穫が放棄され牧草代わりあるいは飼料として使われている。ブラジルのConabは4月の穀物報告で大豆の予想生産量を前月から約30万トン引き下げた1億2240万トンと発表した。
 2期目のコーン(サフリナコーン)については、ゴイアス州、ミナス・ジェライス州、マト・グロッソ州、マトグロッソ・ド・スル州の一部で、高温乾燥となっている。天気予報ではブラジルの最北部と最南部ではまとまった雨が降るが、前述の地域ではまとまった雨が降らない見込み。サフリナコーンは4月に受粉、5月に種子が成長するための水が重要となっているため収穫への懸念が高まっている。ブラジルのConabは4月の穀物報告でコーンの予想生産量を前月から約330万トン引き上げた1億1560万トンと発表した。

アルゼンチン

 アルゼンチン産の大豆の収穫は全体で約4.4%、主要生産地で約19%となっている。乾燥した天候で既に成熟期に入った大豆の成熟と収穫が進む見込み。ブエノス・アイレス穀物取引所は大豆の予想生産量を4200万トンで据え置いたが、南部で霜が発生しているため生産量が減少する可能性を指摘している。ロサリオ穀物取引所の予想生産量は4000万トン、USDAは4350万トンとなっている。
 コーンの収穫は全体で約14%、主要生産地で約50%終了した。主要生産地である中央部で収穫が最も進んでおり、北部と南部では収穫が進んでいない。また、南部では霜が発生しており、未だ成熟していないコーンに悪影響を与える可能性が指摘されている。ブエノス・アイレス穀物取引所はコーンの予想生産量を4900万トンで据え置いた。ロサリオ穀物取引所の予想生産量は4750万トン、USDAは5300万トンとなっている。

パラグアイ

 2021/2022年シーズンのパラグアイ産大豆は当初見込こまれた1000万トンに対して、420万トンと大幅な減少が見込まれている。乾燥による大豆の大凶作を補うため、サフリナコーンの作付を前年比で14.5%拡大している。大豆の収穫が進んだ2月頃より天候が回復したためこの時期に植えられたコーンは生育が順調に進んでおり、過去最大の収穫が予想されている。

天候

ブラジル

 図1と2はNOAA(アメリカ海洋大気庁)によるブラジルの降水量予報で、図1は今後1週間(4月11日から4月17日)の、図2は2週間後(4月18日から4月24日)の天気予報で1枚目が降水量、2枚目が降水量の平年からのずれを示している。今後1週間は前週から引き続き大豆・コーン産地の北部や中部の広い範囲で5mm~45mmと平年並みから平年の50%程度の雨となる見通し。一方、南部では5mm~105mmと平年並みから平年の200%程度の雨となる見通し。翌週も同様の傾向が続き、北部や中部では5mm~15mm程度と平年並み~50%程度の雨となる見通し。南部では5mm~85mmの雨と平年並みから150%程度の雨となる見通し。

アルゼンチン

 図3と4はNOAAによるアルゼンチンの降水量予報で、図3は今後1週間(4月11日から4月17日)の、図4は2週間後(4月18日から4月24日)の天気予報で1枚目が降水量、2枚目が降水量の平年からのずれを示している。今週はアルゼンチンの大豆とコーンの産地であるパンパ地方の中心部で15mm~35mmと平年並みの降水量となる見通し。北側では5mm程度と平年の50%程度の雨となる見通し。翌週は広い範囲で降水量が5mm~45mmと広い範囲で平年並みの雨となる見通し。

アメリカの作付

 アメリカではクロッププログレスレポートの公開が始まっている。コーンの作付率は4月10日時点の全国平均で2%(前年4%、平年3%)となっている。大豆は未発表。

今後の見通し

 南米の予想生産量が改訂された。ブラジルでは大豆の生産量が北部の悪天候による引き下げのため若干の引き下げとなったが、コーンの生産量はサフリナコーンの作付面積の拡大と南部の天候改善から引き上げられている。アルゼンチンでは予想生産量は据え置きとなったが、現地では南部で霜が発生しており生産量は弱含みとなっている。アメリカではクロッププログレスレポートによる農作業進捗率の公開が先週から始まった。
 依然として、ロシアとウクライナの間の戦闘は続いており、ウクライナの穀物輸出や今年の農作業が止まっている。一方で、中国で新型コロナウイルスの感染拡大が続き、上海がロックダウンとなった。この影響でUSDAは中国の大豆とコーンの需要を300万トンずつ引き下げている。また南米で収穫された農作物の輸出が始まるため、穀物相場がやや弱含みとなる例年通りの展開となると予想されるが、アメリカの大豆とコーンの農作業が始まっているため、今年もまもなく天候相場へ移行すると考えられる。今後、半年間はアメリカの天気予報と農作業の進展に注目を移したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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