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レポート
column

2022/04/19

レポート:南米の大豆とコーンの収穫、アメリカの作付状況(2022年4月19日)


ダイジェスト

・ブラジルの大豆の収穫は約9割終了
・ブラジルの2期目のコーン(サフリナコーン)の主要産地では最大で50日雨がない地域もあり、天気予報も少雨予報であり、5月からの乾季を前に干ばつの恐れが高まっている。
・アルゼンチンのブエノス・アイレス穀物取引所は降霜による被害の可能性を引き続き警告、大豆の収穫率は全体で約14.4%、コーンの収穫率は全体で約19.5%
・アメリカのコーンの作付率は4%(前年7%、平年6%)、大豆は1%(前年3%、平年2%)
・アルゼンチンのトラックドライバーのストライキは14日に終結

概要

 今日はブラジルとアルゼンチンの天候および収穫、2期作目の作付状況についてレポートする。加えてアメリカのクロッププログレスレポートを解説する。

作付状況

ブラジル

 大豆の85%の収穫が終了した。前年とほぼ同じ水準。パラナ州では88%の収穫が終了。バイア州ではほぼ収穫が終了、収量は前年比で2ブッシェル/エーカー減少したが、おおむね良好。リオ・グランデ・ド・スル州では34%の収穫が終了した。雨天が多くなり収穫が遅れている地域と干ばつが悪化し低収量・低品質の地域がある。
 2期目のコーン(サフリナコーン)の主要な生産地域であるゴイアス州、ミナス・ジェライス州、マト・グロッソ州、マトグロッソ・ド・スル州の一部では半月以上降雨がなくこれからも期待できない状態。全体でおよそ3割のコーンが干ばつによるストレスが発生している。また、アルゼンチンやブラジル南部の高地では降霜が乾燥されており、6月までに畑に霜が降りた場合、作柄悪化の可能性がある。

アルゼンチン

 ブエノス・アイレス穀物取引所によるとアルゼンチン産の大豆の収穫は全体で約14.4%となった。前年同時期は7.3%だった。主要生産地北部で特に収穫が進んでいるが、南部や北部では5%以下となっている。作柄予想では豊作/大豊作の割合が前週に比べて2%低下した23%(前年25%)となった。予想生産量は4200万トンで据え置き。
 コーンの収穫は全体で約19.5%終了した。前週比で2.4%の増加にとどまった。降水により農作業が遅れている。南部では霜が発生しており、未だ成熟していないコーンに悪影響を与える可能性が指摘されている。作柄予想では豊作/大豊作の割合が前週に比べて1%低下した20%(前年38%)となった。予想生産量は4900万トンで据え置き。
 アルゼンチンのトラックドライバーのストライキは14日に終結し輸出港への穀物の輸送が再開されている。

天候

ブラジル

 図1と2はNOAA(アメリカ海洋大気庁)によるブラジルの降水量予報で、図1は今後1週間(4月18日から4月24日)の、図2は2週間後(4月25日から5月1日)の天気予報で1枚目が降水量、2枚目が降水量の平年からのずれを示している。今後1週間は前週から引き続き大豆・コーン産地の北部や中部の広い範囲で15mm以下と平年の75%から平年の50%程度の雨となる見通し。一方、南部では5mm~105mmと平年並みから平年の150%程度の雨となる見通し。翌週も同様の傾向が続き、北部や中部では5mm~15mm程度と平年の50%程度の雨の地域が広がる見通し。南部では5mm~105mmの雨と平年並みから150%程度の雨となる見通し。

アルゼンチン

 図3と4はNOAAによるアルゼンチンの降水量予報で、図3は今後1週間(4月18日から4月25日)の、図4は2週間後(4月25日から5月1日)の天気予報で1枚目が降水量、2枚目が降水量の平年からのずれを示している。今週はアルゼンチンの大豆とコーンの産地であるパンパ地方の中心部で15mm~45mmと平年並みの降水量となる見通し。翌週も北部の一部で雨が少ないものの広い範囲で15mm~45mmと平年並みの雨となる見通し。

アメリカの作付

 4月18日発表のクロッププログレスレポートによると。コーンの作付率は4月17日時点の全国平均で4%(前年7%、平年6%)となっている。前年と比較してコーンベルト東部の州で降雨過多により農作業が遅れている。一方で大豆の作付率は4月17日時点の全国平均で1%(前年3%、平年2%)と作業が始まったばかりとなっている。

今後の見通し

 ブラジルのサフリナコーンの主要産地では、50日以上雨が観測されない地域があるなど、乾燥が進んでいる。降雨がないだけでなく、雲のない晴天となっていることによる時季外れの高温のため急速に土壌の水分が失われていることや、今後も雨が少ないことが報告されている。例年では5月にはコーンの粒が形成されるドウ期を迎えるために十分な水分が必要だが、既に全体の3割の畑で乾燥によるストレスが観測されている。加えて霜の懸念が出ているので天気予報に注意したい。大豆は最南部と北東部の一部を除き収穫が終了している。
 アルゼンチンでは降水量が多くなっており、農作業が遅れる地域も出ている。土壌の水分は回復しているが、今度は降霜による被害の懸念が出ている。既に南部の一部では霜が観測されており、収穫前に大規模な降霜があった場合に収穫量がさらに引き下げられる可能性がある。
 アメリカではコーンベルトの東側を中心に雨が多くなっており、コーンの作付が例年より遅れている。西側の作業はまだ始まっていないが、こちらには乾燥懸念がある。今週から大豆の作付率も発表されたが、始まったばかりであり例年との差はほとんどない。
 4月18日はロシアとウクライナの間の戦闘激化によるウクライナの穀物輸出への懸念が再燃した他、原油相場の上昇、アメリカの作付遅れを材料にコーン相場は800セントの大台に乗るなど大幅上昇となった。加えて、天気予報によればブラジルのサフリナコーン産地の降水量が増加する見込みはなく、前年同様の干ばつとなることが予想されること、アルゼンチンのコーン生産量も降霜懸念で減少の可能性があることから、コーン相場は夏にかけてさらに上昇の可能性があると考えている。大豆はブラジルの収穫はほぼ終了しているため南米の影響で上昇する可能性は少ないと思われる。一方でコーンと同様にアメリカの作付遅れが顕在化した場合には大きく上昇すると考えられる。ブラジルとアメリカの天気予報、アメリカの農作業の進展率に特に注目したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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