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レポート
column

2022/04/25

レポート:アメリカの気象状況と作付(2022年4月25日)


ダイジェスト

・コーンベルト東部では降水過多で土壌水分過多
・コーンベルト西部では異常な低温
・天候要因でコーンの作付が停滞
・天候がこのまま5月中旬まで続く場合、コーンから大豆への転作の可能性

概要

 今日はアメリカの気象状況と大豆・コーンの作付状況について解説する。

降水量

図1 4月10日から16日の降水量の状況(出展元 USDA、NOAA)

 図1は4月10日から16日にかけてのアメリカの降水量(単位インチ)を塗り分け表示した図となる。コーンベルト東部では黄色(約25mm)から薄緑(約50mm)の雨が続いている。一方、コーンベルト西部ではネブラスカ州やカンザス州でほとんど雨がなかった以外は、オレンジ(約13mm)からの薄緑(約50)の領域が多いが、ノースダコタ州では緑(約100mm)の雨となっている。

土壌の水分

図2 土壌中の水分量指数(出展元 USDA、NOAA)

 

 図2は土壌水分の分布、直近に必要な水分量が十分かどうかを示している(砂漠地域など水分が必要ない場所では雨が降っていなくても無色になる)。ミシシッピ河下流域とアメリカ北西部で過剰な水分量となっている。コーンベルトでは水分が不足しているところはないが、東部から西部の一部では薄緑色(+1.0~+1.9)と土壌の水分が過剰になっている地区が多い。

気温

図3 平均気温とのずれ(出展元 USDA、NOAA)

 図3は気温の平均気温からのずれを示しており、コーンベルト東側では白(平年並み)から黄色(+4℉)の地域が多く平年並みの気温といえるが、西側では最も南側のカンザス州以外では水色(-4℉)から紫(-12℉超)と冷え込みが極めて強くなっている地域が広がっている。

農作業の進展率

 以下の2つの表は4月17日時点のコーンと大豆の作付率の一覧となる。

コーン

 降水量が少なく気温が平年並みであるネブラスカ州やカンザス州では平年並みのペースで作付が進んでいるが、雨が過剰となっているコーンベルト東側や異常低温となっているコーンベルト西側の大半では作付が全く進んでない。
表中の赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州は2020年の大豆の作付面積が500万エーカーを超える大豆の主要生産州を示している。

コーン作付率2021年同時期2022/4/102022/4/172017-2021
avg.
コロラド5002
*イリノイ11006
*インディアナ6003
*アイオワ4002
*カンザス1451211
ケンタッキー244616
ミシガン2000
*ミネソタ3001
ミズーリ131412
*ネブラスカ2022
ノース・カロライナ37173935
ノース・ダコタ3001
オハイオ4001
ペンシルヴァニア0221
*サウス・ダコタ1000
テネシー244721
テキサス60636461
ウィスコンシン10078
18州平均7246
表1 コーンの収穫率(出展元 USDA)
大豆

 コーンより作付が後になる大豆ではコーンベルトの大半の州で作付率が0であることは平年並みであり、特に異常な事態ではないが、気温低下や降雨が続けば大豆の作付も遅れる可能性がある。
表中の赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州は2021年の大豆の作付面積が500万エーカーを超える大豆の主要生産州を示している。

大豆作付率2021年同時期2022/4/102022/4/172017-2021
avg.
アーカンソー116812
*イリノイ4001
*インディアナ3NA01
*アイオワ1NA00
カンザス0NA10
ケンタッキー3NA22
ルイジアナ10152321
ミシガン1NA00
*ミネソタ0NA00
ミシシッピー1471022
*ミズーリ1000
*ネブラスカ0NA00
ノース・カロライナ2NA01
*ノース・ダコタ0NA00
*オハイオ4NA01
*サウス・ダコタ0NA00
テネシー2011
ウィスコンシン0NA00
18州平均3NA12
表2 大豆の収穫率(出展元 USDA)

天気予報

https://www.wpc.ncep.noaa.gov/qpf/p168i.gif?1650862423
図4 今後7日間の降水量予報 (出展元 NOAA)

 図4は今後7日間の降水量予報となっており、コーンベルト東部から西部に渡る広い範囲で13mm以上の降水が続く予報となっている。

https://www.wpc.ncep.noaa.gov/medr/DAY7_MIN_filled.gif
図5 7日後の最低気温予報 (出展元 NOAA)

 図5は7日後の最低気温予報(華氏)となっている。コーンベルト西側では32℉(摂氏0度)付近の低温が続く予報となっている。1週間後の予報では降水、気温とも現在の状況が続くことを示している。またここには掲載しないが2週間後の予報でも平年以上の降水と平年以下の気温予報となっている。

今後の見通し

 2021/2022年シーズンのアメリカのコーンと大豆の農作業が始まった。しかし、例年に比べてコーンベルト東側では雨が多く土壌水分過多(水が多過ぎると種子が腐ったり黴が生える)のため、コーンの作付が遅れている。コーンベルト西側では今日もみぞれの予報が出るなど場所によって平均気温を10℉以上下回る異常な低温が続いており、やはり作付が遅れている。降水量も気温も平年に並みのネブラスカ州やカンザス州は平年通りの農作業が進んでいる状況となっている。大豆はコーンより作付期間が半月から1か月遅いため、未だ大きな影響が出ていない。このまま同様の天候が続いた場合には農家はもはやコーンを植えることが出来ず、大豆へ転作することを余儀なくされる。その可能性は次第に高くなっており、転作決断のタイムリミットは約半月後の5月中旬となる。
 コーン市場はウクライナの戦争で需給が悪化したことから高値が続いているが、あまりの高値で需要が抑制されている可能性がある。大豆相場は4月28日からインドネシアがパーム油の輸出を禁止するため、大豆油が上昇していることが支援材料となっている。そのなかで、アメリカで天候を理由とした大規模な転作が起きる場合、大豆価格は低下とコーン価格のさらなる上昇が起きる可能性が高い。今後3週間の北米の気象情報に注意したい。また、転作が反映される6月の需給報告にも注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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