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レポート
column

2022/04/26

レポート:南米の大豆とコーンの収穫、アメリカの作付状況(2022年4月26日)


ダイジェスト

・ブラジルの大豆の収穫は約9割終了
・ブラジルの2期目のコーン(サフリナコーン)の主要産地では天気予報は少雨予報であり、事実上乾季が始まっている
・アルゼンチンのブエノス・アイレス穀物取引所は降霜による被害の可能性を引き続き警告。大豆の収穫率は全体で16.4%、コーンの収穫率は全体で約23.2%
・アルゼンチン産大豆の予想生産量は4200万トン、コーンの予想生産量は4900万トン
・アメリカのコーンの作付率は7%(前年16%、平年15%)、大豆の作付率は3%(前年7%、平年5%)
・ブラジルは大豆価格の上昇に対応するためディーゼル燃料への大豆由来バイオディーゼル燃料の混合比率の引き下げ(14%から10%へ)を決定

概要

 今日はブラジルとアルゼンチンの天候および収穫、2期作目の作付状況についてレポートする。加えてアメリカのクロッププログレスレポートを解説する。

作付状況

ブラジル

 ブラジルの大豆の収穫は最終段階に入っている。最後に残っているのはリオグランデ・ド・スル州で55%の収穫が終了した。降水の減少で農作業の進捗が改善した。州内の収穫量は3月から4月に降水が多かったため若干回復したが、当初の予想より55%の減少となった。
 2期目のコーン(サフリナコーン)の主要な生産地域であるゴイアス州、ミナス・ジェライス州、マト・グロッソ州、マトグロッソ・ド・スル州の一部では今週も降水がほとんどなく、例年より2週間から4週間乾季の到来が早くなったと判断されている。対して、パラナ州やマトグロッソ・ド・スル州の南部では良好な状態となっている。ブラジル気象庁の予報では今後、ブラジルの最北部と最南部を除けば降水の可能性はないと予想している。

アルゼンチン

 ブエノス・アイレス穀物取引所によるとアルゼンチン産の大豆の収穫は1週間で約2%進展し全体で16.4%となった。作柄予想では豊作/大豊作の割合が前週に比べて5%低下した18%(前年9%)となった。土壌水分は8割以上の地域で良好となっている。また予想生産量は4200万トンで据え置かれた。南部地域では3月末の霜で最大40%の損失の可能性が報告されている。
 コーンの収穫は全体で23.2%終了した。前週比で3.8%の増加となった。作柄予想では豊作/大豊作の割合が前週に比べて2%低下した18%(前年37%)となった。降水の減少で収穫のための条件が改善している。土壌水分は8割以上の地域で良好となっている。予想生産量は4900万トンで据え置き。

天候

ブラジル

 図1と2はNOAA(アメリカ海洋大気庁)によるブラジルの降水量予報で、図1は今後1週間(4月25日から5月1日)の、図2は2週間後(5月2日から5月8日)の天気予報で1枚目が降水量、2枚目が降水量の平年からのずれを示している。今後1週間は引き続き大豆・コーン産地の北部や中部の広い範囲で5mm以下と平年の75%から平年の50%程度の雨、所により降雨はほとんどない見通し。一方、南部では5mm~105mmと平年50%程度から平年の150%程度の雨となる見通し。翌週も同様の傾向が続き、北部や中部では5mm~15mm程度と平年の50%~75%程度の雨の地域が広がる見通し。南部では5mm~65mmの雨と平年並みから125%程度の雨となる見通し。

アルゼンチン

 図3と4はNOAAによるアルゼンチンの降水量予報で、図3は今後1週間(4月25日から5月1日)の、図4は2週間後(5月2日から5月8日)の天気予報で1枚目が降水量、2枚目が降水量の平年からのずれを示している。今週はアルゼンチンの大豆とコーンの産地であるパンパ地方の中心部で15mm~45mmと平年並みの降水量となる見通し。翌週も北部の一部で雨が少なく平年の75%の雨となるもののそれ以外の地域では15mm~45mmと平年並みの雨となる見通し。

アメリカの作付

 4月25日発表のクロッププログレスレポートによると。コーンの作付率は4月24日時点の全国平均で7%(前年16%、平年15%)となっている。前年と比較してコーンベルト東部の州で降雨過多、西部の州の低温により農作業が遅れている。一方で大豆の作付率は4月24日時点の全国平均で3%(前年7%、平年5%)となっている。

今後の見通し

 ブラジルのサフリナコーンの主要産地では、50日以上雨が観測されない地域があるなど、乾燥が進んでいる。今週もほとんど雨が降らず、今後2週間の間も雨が少ないことが報告されている。現地では乾季に入ったとの報道があり、南部のパラナ州以南のサフリナコーン以外に対しては2年連続の干ばつとなる見通し。大豆は最南部のリオグランデ・ド・スル州の収穫率が55%となっている他は収穫が終了している。
 アルゼンチンでは今週降水量がやや少なく農作業が進展した。土壌の水分は回復しているが、南部を中心に降霜による被害の懸念が出ている。既に南部の一部では3月末に霜が観測された。被害についてはまだ見積もられていないが最大で40%に達する見込み。
 アメリカではコーンベルト東部で多雨、西部で低温となっており、コーンと大豆の作付が例年より遅れている。
 今後の大豆相場は中国でロックダウンが拡大し大豆需要が低下することが懸念材料となっている。ブラジルではディーゼルに混合する大豆由来のバイオディーゼルの配合量を減らすことが発表されたが、値下がりにつながるかは不透明となっている。一方コーン相場は堅調な輸出が続いていることが支援材料となっている。
 ブラジル産大豆の収穫はほぼ終了した。アルゼンチン産は約16%の収穫が終了した。大豆相場は中国のロックダウンで経済活動が低迷する可能性が浮上している他、為替レートで割高となっている米国産大豆の輸出が今後低迷するとの見方が懸念材料となっている。一方、アメリカのコーンベルトでは多雨と低温でコーン作付が遅れており、作付のタイムリミットが迫っていることから、コーンから大豆への転作が起こる可能性がある。加えてブラジルのサフリナコーンに対して干ばつが確定的となっており、前年同様にコーン需給の悪化による値上がりを予想することが出来る。アメリカとブラジルの天気予報の続報に注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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