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レポート
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2022/05/23

レポート:最新のエルニーニョ・ラニーニャ予報(2022年5月23日)

ダイジェスト

・今年11月までラニーニャが続く可能性が高い
・ラニーニャ下ではアメリカのコーンベルトでは高温少雨、ブラジル北部では乾燥、南部からアルゼンチンでは低温傾向
・ブラジル産コーンと、アルゼンチン産大豆とコーンの収穫減少の可能性
・アメリカのコーンベルトでは高温乾燥で収穫減の可能性
・NOAAの3カ月予報ではコーンベルトは高温と少雨(西側)を予想

最新のエルニーニョ予報

 5月12日に発表された最新のエルニーニョ・ラニーニャ予報によると、これから冬にかけてラニーニャ現象が続くと予報されている。秋以降は通常の状態に戻る可能性とラニーニャが更に続く可能性が5分5分となっている。エルニーニョやラニーニャが発生すると気候変動の影響が増大する。今日は予報の解説とその影響の想定について解説したい。

ペルー沖の海水温とアメリカの中長期予報

図1 ペルー沖の海水温度の平年との差(出展元 NOAA)

 図1はペルー沖(西経100度から180度の区域)の現在の表層海水温と平年(1991年から2020年の平均)の海水温との差を示している。2021年の8月以来海水温が低下しておりラニーニャ(ペルー沖の海水温が低下する現象)が発生した。縦軸の数値が-0.5を6カ月連続で下回った場合にラニーニャ発生していたと判断される(エルニーニョは0.5以上が6カ月続いた場合)。2022年2月に一時的に海水温変動がプラスになる状態がみられているが、その後、再度水温が低下し、現在もラニーニャの状態が続いている。

図2 今後の海水温予想(出展元 NOAA、筆者加工)
実線:観測値 破線:予想値

 図2は2022年3月までの観測データとそれまでのデータに基づいた今後の海水温(平年との差)の様々な予想をまとめたものとなる。3月(Mar)以降はMAM(March-April-May)のように3カ月移動平均で予想が提供されている。各種予想を加味した最も可能性が高い予想は青い太線(黒の矢印で図示)となっており、ラニーニャの状態が11月まで続く予報となっている。

図3 エルニーニョ(赤)・ラニーニャ(青)・どちらでもない状態(灰)の発生確率
(出展元 NOAA)

 図3は観測情報と予測情報に基づいたエルニーニョの発生(継続)確率とラニーニャの発生(継続)確率、どちらも起きない状態となる確率を示している。夏に向かってラニーニャの継続確率が減少するが、冬まで確率が5割を超える状態が続く。

ラニーニャ現象の影響

 北米と南米の気象状況にラニーニャが影響を与えると考えられている。日本の気象庁など色々な情報によれば、一般的には以下の表1のような影響が予想されている。ただし、あくまで可能性であり、必ず以下のような変化が起きるとは限らない事に注意が必要。

北米産地(アメリカ)南米産地
(ブラジルとアルゼンチン)
3月から5月低温南部で低温、北部で少雨
6月から8月高温少雨南部で低温、北部で少雨
9月から11月高温少雨
表1 ラニーニャ時の一般的な気象傾向 (筆者調べ)

今後の見通し

 アメリカ産のコーンと大豆の作付作業は低温により進捗が遅れている。直近の天候回復により遅れを取り戻しつつある。その中でのラニーニャ予報はこれから水分の必要な夏にかけて少雨・高温を暗示しており、目の離せない状況が続く。NOAAは最新の中長期予報で2022年の夏は気温が上昇、コーンベルト西側で少雨となると予測しており高温乾燥となれば、アメリカ産の大豆とコーンの減収の可能性がある。南米では北側のブラジル北部で干ばつ、南側のブラジル南部からアルゼンチンでは気温低下による降霜が報告されており、今後当初予想されていた量と比べて収穫が減る可能性が高い。これ以上、大豆やコーンの生産量が減る場合、現在の高値が加速する可能性がある。ただし、ラニーニャは天候予測の参考程度と考える方が良く、今後の天候がその通りになるとは限らないので、米国とブラジル・アルゼンチンの天候情報に引き続き注意していきたい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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