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レポート
column

2022/05/03

レポート:南米の大豆とコーンの収穫(2022年5月3日)


ダイジェスト

・ブラジルの大豆の収穫は約9割終了。最後に残っているのはリオグランデ・ド・スル州のみ
・ブラジルの2期目のコーン(サフリナコーン)の主要産地の大半で少雨予報が続く(マト・グロッソ州では例年比約70%減、ゴイアス州では約85%減)、干ばつに突入
・ブラジル南部では雹を伴った雷雨により約100万トン分のコーンが損失
・アルゼンチン南部で降霜による被害が再度発生。ブエノス・アイレス穀物取引所によれば大豆の収穫率は全体で約46.0%、コーンの収穫率は全体で約24.6%
・アルゼンチン産大豆の予想生産量は4200万トン、コーンの予想生産量は4900万トンで据え置き
・アメリカのコーンの作付率は14%(前年42%、平年33%)、大豆の作付率は8%(前年22%、平年13%)と大幅に遅延

概要

 今日はブラジルとアルゼンチンの天候および収穫、2期作目の作付状況についてレポートする。加えてアメリカのクロッププログレスレポートを解説する。

作付状況

ブラジル

 ブラジルの大豆の収穫は最終段階に入っている。最後に残っているのはリオグランデ・ド・スル州で55%の収穫が終了した。降水の減少で農作業の進捗が改善した。州内の収穫量は3月から4月に降水が多かったため若干回復したが、当初の予想より55%の減少となった。
 リオグランデ・ド・スル州内の1期目のコーンの収穫は農家が大豆の収穫に注力しているため遅れている。収穫率は82%となっている。
 2期目のコーン(サフリナコーン)の主要な生産地域のうち最南部(パラナ州、マト・グロッソ・ド・スル州南部)と最北部では降水が十分にあり生育は順調だが、最南部では雹の被害が出ており約100万トンのコーンに被害が出たと報じられている。ゴイアス州、ミナス・ジェライス州、マト・グロッソ州、マト・グロッソ・ド・スル州の北部ではまたしても降水がほとんどなく、30日から50日の間雨がない状態が続いている。マト・グロッソ州の予想降水量は平年比で70%減、ゴイアス州では85%減となっている。

アルゼンチン

 アルゼンチンでは3月下旬に続き、4月末に霜と凍結によりラ・パンパ州やブエノス・アイレス州で遅植えの大豆と遅植えのコーンに被害が出た模様。 
 ブエノス・アイレス穀物取引所によるとアルゼンチン産の大豆の収穫は1週間で約15%進展し全体で約46.0%となった。作柄予想では豊作/大豊作の割合が前週に比べて2%低下した16%(前年9%)となった。土壌水分は8割以上の地域で良好となっている。また予想生産量は4200万トンで据え置かれた。
 コーンの収穫は全体で24.6%終了した。前週比で1.4%の増加となった。作柄予想では豊作/大豊作の割合が前週に比べて1%上昇した19%(前年41%)となった。土壌水分は8割以上の地域で良好となっている。予想生産量は4900万トンで据え置き。

天候

ブラジル

 図1と2はNOAA(アメリカ海洋大気庁)によるブラジルの降水量予報で、図1は今後1週間(5月2日から5月8日)の、図2は2週間後(5月9日から5月15日)の天気予報で1枚目が降水量、2枚目が降水量の平年からのずれを示している。今後1週間は引き続き大豆・コーン産地の北部や中部の広い範囲で5mm以下と平年の50%から平年並みの雨、所により降雨はほとんどない見通し。パーセンテージが先週より改善しているが、これは改善ではなく乾季に突入し元々の雨が少ないことによる。一方、南部では5mm~105mmと平年50%程度から平年の150%程度の雨、所により130mmを超える例年の2倍を超える豪雨となる見通し。翌週も同様の傾向が続き、北部や中部では5mm~15mm程度と平年の50%から平年並みの雨の地域が広がる見通し。南部では5mm~55mmの雨と平年並みの雨となる見通し。

アルゼンチン

 図3と4はNOAAによるアルゼンチンの降水量予報で、図3は今後1週間(5月2日から5月8日)の、図4は2週間後(5月9日から5月15日)の天気予報で1枚目が降水量、2枚目が降水量の平年からのずれを示している。今週はアルゼンチンの大豆とコーンの産地であるパンパ地方の中心部では0mm~15mmと平年並みからやや少ない降水量となる見通し。翌週も5mm~25mmと平年並みの雨となる見通し。

アメリカの作付状況速報

 5月2日発表のクロッププログレスレポートによると。コーンの作付率は5月1日時点の全国平均で14%(前年42%、平年33%)となっている。前年と比較してコーンベルト東部の州で降雨過多、西部の州の低温が続き農作業が大きく遅れている。コーンの発芽率は3%(前年7%、平年6%)。一方で大豆の作付率は5月1日時点の全国平均で8%(前年22%、平年13%)とこちらも大きく遅れている。

今後の見通し

 ブラジルのサフリナコーンの主要産地の大半では乾季に入り乾燥が進んでいる。今週もほとんど雨が降らず、今後2週間も雨が平年と比べて大きく減少することが報告されている。マト・グロッソ州では平年の30%、ゴイアス州では平年の15%の降水となる見通し。南部のパラナ州やマト・グロッソ・ド・スル州南部では降水は十分だが、雹を含んだ雷雨のためコーンに約100万トンの被害が発生した。大豆は最南部のリオグランデ・ド・スル州の収穫率が55%となっている他は収穫がほぼ終了している。
 アルゼンチンでは再び南部の一部で霜や凍結が観測された。現状では大豆・コーン共に生産量が据え置かれているが、3月末と4月末の2度の霜被害についての詳細が判明次第、大きな被害が計上される可能性がある。
 アメリカでは引き続きコーンベルト東部で多雨、西部で低温となったため、前年や平年と比べてコーンと大豆の作付の進捗が大きく遅れている。
 大豆相場は中国でロックダウンが拡大しており、アメリカ産大豆の輸出需要が低下することが懸念材料となっている。ただし、植物油相場は高止まりしており、大豆油向けの引き合いは多い模様。コーン相場は堅調な輸出が続いていること、アメリカ産コーンの作付が大きく遅れていることが支援材料となっている。加えて南米ブラジルの干ばつがほぼ確定した。ブラジル産コーンの予想生産量の引き下げが始まれば、支援材料となる可能性が高い。アメリカとブラジルの天気予報の続報に引き続き注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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