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レポート
column

2022/05/04

レポート:アメリカの気象状況と作付(2022年5月4日)


ダイジェスト

・コーンベルト東部では降水で土壌水分は十分
・コーンベルト西部では異常な低温と降水過多となっている
・天候要因でコーンや大豆の作付が停滞
・天候がこのまま10日間続く場合、コーンから大豆への転作の可能性が高まる

概要

 今日はアメリカの気象状況と大豆・コーンの作付状況について解説する。

降水量

図1 4月24日から30日の降水量の状況(出展元 USDA、NOAA)

 図1は4月24日から30日にかけてのアメリカの降水量(単位インチ)を塗り分け表示した図となる。コーンベルト東部では黄色(約25mm)から薄緑(約50mm)の雨、一部では緑(約76mm)の雨が続いている。一方、コーンベルト西部ではネブラスカ州やカンザス州でほとんど雨がなかった以外は、黄色(約25mm)や薄緑(約50mm)の領域が多いが、ノースダコタ州からネブラスカ州にかけての帯状の地域で緑(約100mm)の雨となっている。

土壌の水分

図2 土壌中の水分量指数(出展元 USDA、NOAA)

 図2は4月30日時点の土壌水分の分布、直近に必要な水分量が十分かどうかを示している(砂漠地域など水分が必要ない場所では雨が降っていなくても問題ないことを示す無色になる)。コーンベルトではノースダコタ州の一部を中心に西側の広い範囲で過剰な水分量となっている。東側では無色(-0.9~+0.9)と土壌の水分が足りている地域が多い。

気温

図3 平均気温とのずれ(出展元 USDA、NOAA)

 図3は気温の平均気温からのずれを示しており、コーンベルト東側では白(平年並み)から黄色(+4℉)の地域が多く平年並みの気温となっている。一方、西側では南側のネブラスカ州とカンザス州以外では水色(-4℉)から紫(-12℉超)と冷え込みが極めて強い状態が続いている。

農作業の進展率

 以下の表は5月1日時点のコーンと大豆の農作業の進展率の一覧となる。

コーン

 表1はコーンの作付率を示している。降水量や気温が平年並みだったコーンベルト西側の南側のカンザス、ネブラスカ、ミズーリでは作付率が上昇している。雨が過剰となっているコーンベルト東側や異常低温となっているコーンベルト西側の大半では作付率が例年の半分以下と全く進んでない。
表中の赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州は2020年の大豆の作付面積が500万エーカーを超える大豆の主要生産州を示している。

コーン作付率2021年同時期2022/4/242022/5/12017-2021
avg.
コロラド2441319
*イリノイ502743
*インディアナ291625
*アイオワ622942
*カンザス34213536
ケンタッキー58102642
ミシガン26110
*ミネソタ5428
ミズーリ46102752
*ネブラスカ37102834
ノース・カロライナ77608072
ノース・ダコタ125
オハイオ20316
ペンシルヴァニア15258
*サウス・ダコタ221313
テネシー63174255
テキサス68697470
ウィスコンシン24114
18州平均4271433
表1 コーンの収穫率(出展元 USDA)
-はデータなし

 次に表2はコーンの発芽率の一覧となる。こちらは公開が始まった直後のためデータが少ない。

コーン発芽率2021年同時期2022/4/242022/5/12017-2021
avg.
コロラド
*イリノイ129
*インディアナ74
*アイオワ22
*カンザス131811
ケンタッキー27320
ミシガン2
*ミネソタ11
ミズーリ14317
*ネブラスカ213
ノース・カロライナ57325649
ノース・ダコタ
オハイオ32
ペンシルヴァニア1
*サウス・ダコタ
テネシー3331027
テキサス57596257
ウィスコンシン0
18州平均7236
表2 コーンの発芽率(出展元 USDA)
-はデータなし
大豆

 表3は大豆の作付率の一覧を示している。コーンより作付が後になる大豆でもコーンベルトの大方の州で作付が進んでいない。例外的に気温が平年並みで降水も平年並みだったネブラスカ州、カンザス州、ミズーリ州のみで作付けが進んでいる。
表中の赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州は2021年の大豆の作付面積が500万エーカーを超える大豆の主要生産州を示している。

大豆作付率2021年同時期2022/4/242022/5/12017-2021
avg.
アーカンソー36122329
*イリノイ381519
*インディアナ22313
*アイオワ381417
カンザス103115
ケンタッキー2451212
ルイジアナ23395943
ミシガン2438
*ミネソタ209
ミシシッピー52244844
*ミズーリ9156
*ネブラスカ1831914
ノース・カロライナ1861610
*ノース・ダコタ21
*オハイオ1628
*サウス・ダコタ714
テネシー14398
ウィスコンシン1435
18州平均223813
表3 大豆の収穫率(出展元 USDA)
-はデータなし

天気予報

図4 今後7日間の降水量予報 (出展元 NOAA)

 図4は今後7日間の降水量予報となっており、コーンベルト東部から西部に渡る広い範囲で1インチ(約25mm)から2インチ(約50mm)以上の降水が続く予報となっている。

図5 7日後の最低気温予報 (出展元 NOAA)

 図5は7日後の最低気温予報(華氏)となっている。コーンベルト西側ではやや気温が上がりるが、40℉(摂氏5度)付近の低温が続く予報となっている。

今後の見通し

 2021/2022年シーズンのアメリカのコーンと大豆の農作業が始まっている。しかし、例年に比べてコーンベルト東側では雨が多く土壌水分過の状況が続いており、コーンと大豆の作付が遅れている。コーンベルト西側ではみぞれの予報が出るなど場所によって平均気温を10℉以上下回る異常な低温が今週も続いている。加えて降水量も多くなっているため大豆とコーンの作付が大きく遅れている。降水量も気温も平年並みに近いネブラスカ州やカンザス州、ミズーリ州で例外的に平年通りの農作業が進んでいる状況となっている。
 コーンベルトの降水は来週も多い見込みで農作業が進展するかは不透明。気温に関しては次第に上昇しているものの、コーンベルト西側ではまだ低温が続く見込み。このままの天気が続いた場合には農家は大豆へ転作することが想定される。転作決断のタイムリミットは約10日後に迫っている。
 コーン市場はアメリカの作付遅れやブラジルの乾燥によるサフリナコーンへ被害懸念から上昇している。大豆相場はコーンにつれ高となっている他、大豆油が上昇していることが支援材料となっている。大豆への転作が起きた場合、大豆価格の低下とコーン価格の上昇が予想される。今後2週間の北米の気象情報に注意したい。次回の需給報告は5月12日の予定。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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