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レポート
column

2022/06/14

レポート:南米の大豆とコーンの収穫、アメリカのクロッププログレスレポート(2022年6月14日)


ダイジェスト

・Conabは2021/2022年シーズンのブラジル産コーンの予想生産量は前回報告の1億1450万トンから70万トン引き上げられた1億1520万トンと発表、
・アルゼンチンのブエノス・アイレス穀物取引所によれば大豆の収穫率は全体で約94.3%、コーンの収穫率は全体で約32.0%
・アルゼンチン産大豆の予想生産量は4330万トンと130万トンの引き上げ、コーンの予想生産量は4900万トンで今週も据え置き
・アメリカのコーンベルトでは西側を中心に乾燥懸念が高まる。直近1週間の降水量が各地で減少
・ブラジルはロシア、ベラルーシから2022/2023年分の肥料を十分に確保

概要

 今日はブラジルとアルゼンチンの天候および農作業の状況、アメリカのクロッププログレスレポートを解説する。

農作業状況

ブラジル

 6月8日にブラジルのConabは6月の穀物報告を発表した。2021/2022年シーズンのブラジルのコーンの予想生産量は前回報告の1億1450万トンから70万トン引き上げられた1億1520万トンと発表された。2020/2021年シーズンと比べて2820万トン(32.3%)の増収を見込んでいる。1期目のコーンの収量がやや増加したことと、北東部で栽培されている3期目のコーンの収穫予想が増加したことが寄与した。一方で2期目のコーン(サフリナコーン)の収量は乾燥により低下したが、作付面積の増加が収量の減少分を補った。
 ブラジルの農業大臣は先週、懸案だった2022/2023年分の肥料を十分に確保したと発表した。肥料は従来通りロシアとベラルーシから購入された。大豆の主要生産州であるマト・グロッソ州の農業経済研究所は大豆価格の高騰により州内の農家が2022/2023年シーズンの大豆の作付を前年より約3%増やすとの見通しを発表した。同州の大豆の作付は9月16日から始まる予定。

アルゼンチン

 ブエノス・アイレス穀物取引所によるとアルゼンチン産の大豆の収穫率は1週間で3.0ポイント上昇し全体で約97.4%となりほぼ収穫が終了した。作柄予想では豊作/大豊作の割合が前週から横ばいの10%(前年2%)となった。土壌水分は2ポイント悪化し約72%の地域で良好となっている。予想生産量は4330万トンで据え置き。
 コーンの収穫は前週比で2.0ポイント進展し全体の約34.0%が終了した。作柄予想では豊作/大豊作の割合が前週に比べて1ポイント向上し16%(前年41%)となった。土壌水分は3ポイント悪化し約64%の地域で良好となっている。予想生産量は今週も4900万トンで据え置きとなった。

天候

ブラジル

 図1と2はNOAA(アメリカ海洋大気庁)によるブラジルの降水量予報で、図1は今後1週間(6月13日から6月19日)の、図2は2週間後(6月20日から6月26日)の天気予報で1枚目が降水量、2枚目が降水量の平年からのずれを示している。今後1週間は引き続き大豆・コーン産地の北部や中部では広い範囲で5mm以下の平年並みの雨となる見通し。一方、西部では5~25mmと平年並みの雨、南部では5mm~65mmと平年の75%から150%程度の雨となる見通し。翌週も同様の傾向が続き、北部や中部では概ね5mm以下と平年並みの雨、南部では5mm~105mmの雨と平年並みから平年の175%程度の雨となる見通し。

アルゼンチン

 図3と4はNOAAによるアルゼンチンの降水量予報で、図3は今後1週間(6月13日から6月19日)の、図4は2週間後(6月20日から6月26日)の天気予報で1枚目が降水量、2枚目が降水量の平年からのずれを示している。今週はアルゼンチンの大豆とコーンの産地であるパンパ地方の中心部では0mmと平年並みの降水量となる見通し。翌週も0mm~15mmとこちらも平年並みの雨となる見通し。

アメリカ

 アメリカで6月13日に発表されたクロッププログレスレポートからコーンに続いて大豆の作柄予想が始まっている。コーンの作柄予想は大豊作13%(前週12%、前年12%)、豊作59%(前週61%、前年56%)、普通23%(前週23%、前年27%)、凶作4%(前週3%、前年4%)、大凶作1%(前週1%、前年1%)で概ね前年並みとなっている。大豆の作柄予想は大豊作11%(前年9%)、豊作59%(前年53%)、普通25%(前年30%)、凶作4%(前年6%)、大凶作1%(前年2%)で前年よりやや良好となっている。

コーン

 表1はコーンの作付率を示している。作付率は97%(前年100%、平年97%)だった。作付率平均は前週比で3ポイントの上昇となった。ノース・ダコタ州わずかに遅れがみられるものの、今年のコーンの作付はおおむね終了した。
表中の赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州は2021年のコーンの作付面積が500万エーカーを超えるコーンの主要生産州を示している。

コーン作付率2021年同時期2022/6/6 2022/6/132017-2021
avg.
コロラド98959996
*イリノイ95959894
*インディアナ99929794
*アイオワ100989999
*カンザス95939696
ケンタッキー98959897
ミシガン99939790
*ミネソタ100939899
ミズーリ97959695
*ネブラスカ1009810099
ノース・カロライナ100100100100
ノース・ダコタ100819097
オハイオ99859390
ペンシルヴァニア94798992
*サウス・ダコタ100939794
テネシー100989999
テキサス1009798100
ウィスコンシン100899494
18州平均100949797
表1 コーンの収穫率(出展元 USDA)
-はデータなし

 次に表2はコーンの発芽率の一覧となる。現在の発芽率は88%で前年の95%、平年の89%との差が縮んでいる。今週の進捗は10ポイントと前年の6ポイント、平年の8ポイントを上回った。個々の州ではミネソタ州が大きく進展した一方でノース・ダコタ州の遅れが依然目立っている。

コーン発芽率2021年同時期2022/6/6 2022/6/132017-2021
avg.
コロラド84708488
*イリノイ97899689
*インディアナ95768983
*アイオワ99879594
*カンザス84778388
ケンタッキー93798691
ミシガン96748676
*ミネソタ98668594
ミズーリ96868992
*ネブラスカ98889295
ノース・カロライナ1009810099
ノース・ダコタ88225083
オハイオ92658079
ペンシルヴァニア79516378
*サウス・ダコタ96688586
テネシー98929796
テキサス93949594
ウィスコンシン95738483
18州平均95788889
表2 コーンの発芽率(出展元 USDA)
-はデータなし
大豆

 表3は大豆の作付率の一覧を示している。大豆の作付率は88%と前年の93%、平年の88%より遅れている。今週は前週比で10ポイントの上昇となり、前年の4ポイント、平年の9ポイントを上回った。ノース・ダコタ州の作付率は34ポイントと大きく上昇したが、依然として平年と比べて遅れがみられる。
表中の赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州は2021年の大豆の作付面積が500万エーカーを超える大豆の主要生産州を示している。

大豆作付率2021年同時期2022/6/6 2022/6/132017-2021
avg.
アーカンソー87869186
*イリノイ95889487
*インディアナ95849285
*アイオワ99949794
カンザス80646879
ケンタッキー81738075
ルイジアナ9110010096
ミシガン99849082
*ミネソタ100728896
ミシシッピー95959894
*ミズーリ82617176
*ネブラスカ100969996
ノース・カロライナ76787172
*ノース・ダコタ97417594
*オハイオ94718081
*サウス・ダコタ97779389
テネシー75738177
ウィスコンシン99869389
18州平均93788888
表3 大豆の収穫率(出展元 USDA)
-はデータなし

 次に表4は大豆の発芽率の一覧となる。現在の発芽率は70%で前年の85%、平年の74%と比べて遅れている。進展は前週比で14ポイントと前年の11ポイントを下回り、平年の15ポイントと同じ水準だった。ミネソタ州とノース・ダコタ州、サウス・ダコタ州で遅れが目立つ以外はおおむね平年並みの発芽率となっている。

大豆発芽率2021年同時期2022/6/6 2022/6/132017-2021
avg.
アーカンソー81778477
*イリノイ90758875
*インディアナ87638071
*アイオワ92698482
カンザス61465561
ケンタッキー63566557
ルイジアナ84989992
ミシガン94627468
*ミネソタ96396285
ミシシッピー91909488
*ミズーリ63445659
*ネブラスカ90758985
ノース・カロライナ66717460
*ノース・ダコタ8042470
*オハイオ84476366
*サウス・ダコタ93355574
テネシー67557062
ウィスコンシン91587671
18州平均85567074
表4 大豆の発芽率(出展元 USDA)
-はデータなし
降水量と最低気温
図5 今後7日間の降水量予報 (出展元 NOAA)

 図5は今後7日間の降水量予報となっている。コーンベルト東側では0.01インチ(約0mm)~1.5インチ(約37mm)の降水、西側では0.01インチ(約0mm)~1.5インチ(約37mm)の降水の予報となっている。コーンベルト東側のイリノイ州、インディアナ州、西側のミネソタ州やサウス・ダコタ州、ネブラスカ州、カンザス州で雨が少なく約0.01インチ(約0mm)とほぼ雨が降らない見通し。

図6 7日後の最低気温予報 (出展元 NOAA)

 図6は7日後の最低気温予報(華氏)となっている。コーンベルトでは東側では60℉(16℃)前後、西側では65~80℉(18~27℃)付近の気温となる予報となっている。

今後の見通し

 ブラジルのConabは6月8日に6月の穀物報告を発表した。サフリナコーンの予想生産量は微増となった。乾燥による収量低下を作付面積の増加が補った。この他1期目と3期目のコーンの生産量も引き上げられた結果、2021/2022年シーズンのコーンの予想生産量は前回報告の1億1450万トンから70万トン引き上げられた1億1520万トンとなった。またブラジルでは2022/2023年の肥料の確保に成功しており予定通り大豆の作付が始まる予定。
 アルゼンチンでは大豆の収穫が進みほぼ終了した。ブエノス・アイレス穀物取引所の発表する大豆の予想生産量は収量が4330万トンで据え置きだった。コーンも収穫が続いているが、乾燥が強まっている。ただ、ブエノス・アイレス穀物取引所はコーンの予想生産量を今週も据え置いていた。
 アメリカではコーンに続いて大豆の作柄予想も始まった。現時点の予想は前年以上の作柄を予想している。ノース・ダコタ州などコーンベルトの北西部を除き作業は順調に進展している。一方で天気予報ではコーンベルト各地で直近7日間の降水量が減少している。特にコーンベルト西側では乾燥懸念が高まりコーン相場の支援材料となっている。今後の天候に注目したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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