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レポート
column

2022/06/15

レポート:OPECの月報と原油価格の見通し(2022年6月15日)


ダイジェスト

・OPECは月報の中で2022年の世界の原油需要を前年比で日量340万バレル増加で据え置き
・原油供給量はOPECの段階的増産と非OPEC産油国の増産で日量450万バレル超を予想
・2022年の原油需給は今後緩み、在庫が積まれる予想
・7月にバイデン米大統領はサウジ・アラビアを訪問する予定

概要

 6月14日に発表されたOPECは月報を解説する。

原油価格の動向

 5月の原油市場は石油製品市場の需給ひっ迫によりガソリン向けの軽質油の需要が高まったことで上昇した。特にアメリカがドライブシーズンに入ったことが影響している。また、中国が新型コロナウイルスのロックダウン規制緩和に踏み切ったことで需要回復の見方も広がった。これらの要因により原油需給への見通しが悪化し原油価格は上昇した。

世界経済見通し

 世界経済の見通しは前回の月報から据え置き。ロシアによるウクライナ侵攻と国際的な経済制裁で2022年のロシアの成長率をマイナスに修正した。ウクライナ情勢の悪化や新型コロナウイルスの流行の継続、インフレの悪化、サプライチェーンの悪化、先進国の金融引き締め政策への転換等により世界経済には大きな下振れリスクが存在する。

2021年の成長率予測2022年の成長率予測
アメリカ+5.7%+3.0%
ユーロ圏+5.4%+3.0%
日本+1.7%+1.6%
中国+8.1%+5.1%
インド+8.3%+7.1%
ブラジル+4.6%+1.2%
ロシア+4.7%-6.0%
世界+5.8%+3.5%
表1 2021年と2022年の経済成長率予測比較(出展 OPEC月報)

原油需要見通し

 2021年の世界の原油需要は2020年と比べて570万バレルの増加、内、OECD38か国(中印を含まない)の原油需要は260万バレルの増加。2022年の原油需要は2021年と比べて340万バレルの増加と前回の月報から据え置きとなった。内訳はOECD側が180万バレル、それ以外が160万バレル。2022年上半期の需要が中国のロックダウンで下方修正されたが、下半期の需要が上方修正されたことから相殺された。

原油供給

 非OPEC産油国の2021年の原油供給量は2020年比で日量60万バレル増加した日量6360万バレル予想しており、そのうちアメリカが10万バレルを占める。同2022年の原油生産量の伸びは2021年比で日量210万バレルと25万バレル下方修正され、生産量は6570万バレルと予想している。中国、米国、ブラジル、カナダ、カザフスタン、ガイアナの各国が増産となり、ロシア、インドネシア、タイが減産となる見込み。
 5月のOPEC加盟13か国の原油生産量は前月比で17.6万バレル増加した日量2851万バレルとなった。
 5月のアメリカの原油輸入量は日量640万バレル。一方で輸出量は370万バレルと過去最高を記録した。同月の中国の原油輸入量は日量1080万バレルと前月から30万バレル増加した。インドの4月の輸入量は510万バレルと前月から13%増加した。インドはロシア産原油の輸入を強化している。

原油と石油製品の在庫

 OECD加盟国の石油(原油+石油製品)在庫は前月比で180万バレル増加した26億2800万バレルで前年比で2億8700万バレル減少している。このうち原油在庫は前月から930万バレル増加した12億9300万バレル、石油製品在庫は前月から750万バレル減少した13億3500万バレルだった。増大するガソリン需要のため原油精製量が世界各地で増加しており、原油精製の増加により石油製品の在庫減少が抑制されている。

今後の見通し

 6月のOPECの月報によれば、2022年の世界の原油需要の増加は日量340万バレルで据え置かれおり頭打ちとなっているといってよいだろう。加えて中国のロックダウンが再強化されたことで、インドを除き原油需要の増加は見込めないと思われる。一方で予想される原油供給の増加はOPEC加盟国と非OPEC加盟国で日量450万バレルを超えており、今後は原油需給が次第に緩むと考えられる。なお、原油在庫が増加を続けるとの予想は先日紹介したEIAのエネルギー短観内の予想と一致している。証券各社による強気の価格予想が続いているが、今後の原油需給が急に締まるとは考えられないので、原油価格の動向を注視したい。7月15、16日にバイデン米大統領がサウジ・アラビアを訪問し原油増産を要請するとの報道がある、続報に注意したい。
 


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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