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レポート
column

2022/06/27

レポート:南米の大豆とコーンの収穫(2022年6月27日)


ダイジェスト

・ブラジルではサフリナコーンの収穫が進む
・ブラジルと中国の協定が成立し、ブラジル産コーンが中国向けに大規模に輸出される見通し
・サフリナコーンの産地では害虫であるオオヨコバイが大発生しており、今後収量が10%程度低下する可能性
・アルゼンチンのブエノス・アイレス穀物取引所によれば大豆の収穫が終了。2021/2022年シーズンの収穫量は4330万トン(前年比20万トン増)
・コーンの収穫率は全体の約42.3%。コーンの予想生産量は4900万トンで今週も据え置き

概要

 今日はブラジルとアルゼンチンの天候および農作業の状況について解説する。

農作業状況

ブラジル

 パラナ州ではサフリナコーンの多くがドウ期とデント期にあり、作柄は75%が豊作、20%が普通、5%が不作となっている。パラナ州の南部や西部ではコーンの害虫であるオオヨコバイが大発生しており、発育阻害により収量が10%ほど低下する可能性がある。マト・グロッソ州では収穫が50%ほど完了している。乾燥の影響で収穫済みのコーンの収量には大きな幅が出ている。マト・グロッソ・ド・スル州では天候はコーンの収穫にとっておおむね良好となっている。マト・グロッソ州やマトグロッソ・ド・スル州でもオオヨコバイの被害が発生している。オオヨコバイの被害は来年度以降さらに悪化する予想となっている。ゴイアス州では約10%の収穫が終了している。乾燥の影響で最も良い時期に植えられたコーンでも収量が予想を下回っており、さらに収穫が減少する可能性がある。
 オオヨコバイはセミの一種で一般的な害虫となっている。植物の葉につくと樹液や草の汁を吸うことで植物の生育障害を引き起こす。このこと自体は大きな被害を出さないが、コーンの発育を阻害するウイルス病を媒介し大きな被害(最も深刻な場合で50から90%の収穫減)を出すことが知られている。ブラジルでは2017年にパラナ州で初めて確認されて以後、ブラジル全土のコーン栽培地域に広がっており。各地でコーンの収量低下を引き起こしている。

アルゼンチン

 アルゼンチンのブエノス・アイレス穀物取引所によると2021/2022年シーズンの大豆の収穫は終了した。収穫量は4330万トンで、2020/2021年シーズンを20万トン上回った。収量は過去5年平均と比較して3%少なかった。
 コーンの収穫は前週比で5.3ポイント進展し全体の約42.3%が終了した。作柄予想では豊作/大豊作の割合は前週から横ばいの17%(前年43%)だった。土壌水分は4ポイント悪化し約56%の地域で良好となっている。早生の収穫率は約66.4%に達した。晩生の収穫率は約21%となった。やや乾燥が進み成熟期に入ったコーンの農作業が進んでいる。コーンの予想生産量は今週も4900万トンで据え置きとなった。

天候

ブラジル

 図1と2はNOAA(アメリカ海洋大気庁)によるブラジルの降水量予報で、図1は今後1週間(6月26日から7月2日)の、図2は2週間後(7月3日から7月9日)の天気予報で1枚目が降水量、2枚目が降水量の平年からのずれを示している。今後1週間は引き続き大豆・コーン産地の北部や中部では広い範囲で5mm以下の平年並みの雨となる見通し。一方、南部では5mm~75mmと平年の75%から平年並みの雨となる見通し。翌週も同様の傾向が続き、北部や中部では概ね5mm以下と平年並みの雨、南部では5mm~75mmの雨と平年の75%から平年並みの雨となる見通し。

アルゼンチン

 図3と4はNOAAによるアルゼンチンの降水量予報で、図3は今後1週間(6月26日から7月2日)の、図4は2週間後(7月3日から7月9日)の天気予報で1枚目が降水量、2枚目が降水量の平年からのずれを示している。アルゼンチンの大豆とコーンの産地であるパンパ地方の中心部では今週も5mm以下と平年並みの降水量となる見通し。翌週も5mm以下で平年並みの雨となる見通し。

今後の見通し

 ブラジルのConabは2021/2022年シーズンのコーンの予想生産量は過去最大となると予想している。農作業はサフリナコーンの産地であるマト・グロッソ州からパラナ州にかけて、害虫(オオヨコバイ)が発生しており、最大で10%の収量の減少の可能性がある。被害が広がっているとの報道もあり続報に注意が必要。また、現状では効果的な対策がないとも報道されており来年度以降も被害が出る可能性があるので、留意しておきたい。一方で、ブラジルと中国の間の農作物輸出協定が5月に調印されており、ブラジル産コーン(遺伝子組み換えコーンを含む)が中国に向けて初めてまとまった形で輸出される可能性が高くなっている(2020/2021年シーズンの実績は2.3万トン)。これはウクライナ産コーンの中国向け輸出が止まっていることの穴埋めとなると考えられる。
 アルゼンチンでは大豆の収穫が終了した。前シーズン比で20万トンの増産となる4330万トンの大豆が収穫された。アルゼンチン産コーンは収穫率が40%を超え、農作業が進展している。前年度と比べてやや作柄が良くないものの、4900万トンの予想生産量は今週も維持されている。
 大豆とコーン市場では米国のコーンベルトの天候回復や原油相場の下落が懸念材料となっており、4月上旬以来の安値水準となっている。こちらは米国の天候に引き続き注目したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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