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レポート
column

2022/06/07

レポート:南米の大豆とコーンの収穫、アメリカのクロッププログレスレポート(2022年6月7日)


ダイジェスト

・ブラジルの先週の降霜では大きな被害なし。干ばつや害虫の被害が拡大中
・アルゼンチンのブエノス・アイレス穀物取引所によれば大豆の収穫率は全体で約94.3%、コーンの収穫率は全体で約32.0%
・アルゼンチン産大豆の予想生産量は4330万トンと130万トンの引き上げ、コーンの予想生産量は4900万トンで今週も据え置き
・アメリカのコーンベルトでは一部地域を除き、平年並みまで農作業が進展
・ウクライナ産穀物の黒海からの輸出は難航

概要

 今日はブラジルとアルゼンチンの天候および農作業の状況、アメリカのクロッププログレスレポートを解説する。

農作業状況

ブラジル

 ブラジルでは冷え込みが強まり北はマド・グロッソ州の南部まで霜が落りた。幸い弱い霜のため被害は小さかった。それ以外の地域では雨が降らず感想が続いている。ブラジルのサフリナコーンの内1.35%が収穫された。前年の0.45%、平年の0.85%と比べて進展が早い。マト・グロッソ州では乾燥が主うっかうに影響を与えている。パラナ州では若干の降雨があり作柄改善が期待されている。パラナ州からマト・グロッソ・ド・スル州にかけての一部の地域では害虫が発生し被害が増加しつつある。害虫被害は20%から25%に及ぶ見通し。ブラジル南部の農家はコーンの不足により隣国パラグアイからコーンの輸入を検討している。パラグアイのコーンは豊作であり、なおかつブラジル北部のコーン産地よりパラグアイの方が近くコストが低いため。6月8日にブラジルのConabは6月の穀物報告を発表する。

アルゼンチン

 ブエノス・アイレス穀物取引所によるとアルゼンチン産の大豆の収穫率は1週間で4.5ポイント上昇し全体で約94.3%となった。作柄予想では豊作/大豊作の割合が前週から横ばいの10%(前年5%)となった。土壌水分は1ポイント向上し約74%の地域で良好となっている。一部の地域で収量が予想を上回ったことから予想生産量は4330万トンと前週から130万トン引き上げられた。
 コーンの収穫は前週比で1.9ポイントの進展にとどまり全体の約32.0%が終了した。作柄予想では豊作/大豊作の割合が前週に比べて1ポイント悪化し15%(前年50%)となった。土壌水分は3ポイント悪化し約67%の地域で良好となっている。予想生産量は今週も4900万トンで据え置きとなった。

天候

ブラジル

 図1と2はNOAA(アメリカ海洋大気庁)によるブラジルの降水量予報で、図1は今後1週間(6月6日から6月12日)の、図2は2週間後(6月13日から6月19日)の天気予報で1枚目が降水量、2枚目が降水量の平年からのずれを示している。今後1週間は引き続き大豆・コーン産地の北部や中部の広い範囲で5mm以下と平年並みの雨となる見通し。一方、西部では5~25mmと平年の150%程度の、南部では5mm~65mmと平年並みから150%程度の雨となる見通し。翌週も同様の傾向が続き、北部や中部では概ね5mm以下と平年並みの雨、南部では5mm~85mmの雨と平年並みから平年の175%程度の雨となる見通し。

アルゼンチン

 図3と4はNOAAによるアルゼンチンの降水量予報で、図3は今後1週間(6月6日から6月12日)の、図4は2週間後(6月13日から6月19日)の天気予報で1枚目が降水量、2枚目が降水量の平年からのずれを示している。今週はアルゼンチンの大豆とコーンの産地であるパンパ地方の中心部では0mm~15mmと平年並みの降水量となる見通し。翌週も0mm~15mmとこちらも平年並みの雨となる見通し。

アメリカ

 アメリカで6月6日に発表されたクロッププログレスレポートからコーンの作柄予想が始まっている。コーンの作柄予想は大豊作12%(前年14%)、豊作61%(前年58%)、普通23%(前年23%)、凶作3%(前年4%)、大凶作1%(前年1%)で概ね前年並みとなっている。

コーン

 表1はコーンの作付率を示している。作付率は94%(前年98%、平年92%)だった。作付率平均は前週比で8ポイントの上昇となった。ノース・ダコタ州でやや遅れがみられるものの、今年のコーンの作付はおおむね終了している。
表中の赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州は2021年のコーンの作付面積が500万エーカーを超えるコーンの主要生産州を示している。

コーン作付率2021年同時期2022/5/292022/6/62017-2021
avg.
コロラド89849592
*イリノイ95899589
*インディアナ97819285
*アイオワ100949896
*カンザス89879391
ケンタッキー96899594
ミシガン98809382
*ミネソタ100829396
ミズーリ95919593
*ネブラスカ100959898
ノース・カロライナ1009910099
ノース・ダコタ96568192
オハイオ95728582
ペンシルヴァニア89637984
*サウス・ダコタ99869389
テネシー99969897
テキサス99949798
ウィスコンシン98808988
18州平均98869492
表1 コーンの収穫率(出展元 USDA)
-はデータなし

 次に表2はコーンの発芽率の一覧となる。現在の発芽率は78%で前年の89%、平年の81%と比べて8ポイント以上遅れている。今週の進捗は17ポイントと前年の10ポイント、平年の13ポイントを上回り遅れを挽回している。個々の州ではミネソタ州とノース・ダコタ州で平年に比べて遅れが目立っている。

コーン発芽率2021年同時期2022/5/292022/6/62017-2021
avg.
コロラド66457075
*イリノイ92768980
*インディアナ86587672
*アイオワ95738788
*カンザス73617778
ケンタッキー84677982
ミシガン90477463
*ミネソタ95426686
ミズーリ90768687
*ネブラスカ93738889
ノース・カロライナ99959897
ノース・ダコタ7272264
オハイオ81516567
ペンシルヴァニア65235162
*サウス・ダコタ91446875
テネシー95819292
テキサス90879491
ウィスコンシン88557371
18州平均89617881
表2 コーンの発芽率(出展元 USDA)
-はデータなし
大豆

 表3は大豆の作付率の一覧を示している。大豆の作付率は78%と前年の89%、平年の79%より遅れている。今週は前週比で12ポイントの上昇となり、前年の6ポイント、平年の12ポイントと比べて平年並みの進捗度合いだった。大豆の作付ではミネソタ州とノース・ダコタ州で平年に比べて遅れがみられる。
表中の赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州は2021年の大豆の作付面積が500万エーカーを超える大豆の主要生産州を示している。

大豆作付率2021年同時期2022/5/292022/6/62017-2021
avg.
アーカンソー85788679
*イリノイ92758878
*インディアナ91708475
*アイオワ97859487
カンザス67566464
ケンタッキー73637364
ルイジアナ859910093
ミシガン96608473
*ミネソタ100557290
ミシシッピー93929590
*ミズーリ63526161
*ネブラスカ97879690
ノース・カロライナ70727863
*ノース・ダコタ94234185
*オハイオ88567170
*サウス・ダコタ96617779
テネシー71607367
ウィスコンシン96738678
18州平均89667879
表3 大豆の収穫率(出展元 USDA)
-はデータなし

 次に表4は大豆の発芽率の一覧となる。現在の発芽率は56%で前年の74%、平年の59%と比べて遅れている。進展は前週比で17ポイントと前年の15ポイントを下回り、平年の16ポイントと同じ水準だった。ミネソタ州とノース・ダコタ州、サウス・ダコタ州で遅れが目立つ以外はおおむね平年並みの発芽率となっている。

大豆発芽率2021年同時期2022/5/292022/6/62017-2021
avg.
アーカンソー76697769
*イリノイ83527563
*インディアナ76456358
*アイオワ84456967
カンザス48354646
ケンタッキー55415646
ルイジアナ75969886
ミシガン84336253
*ミネソタ91203969
ミシシッピー82849081
*ミズーリ47314446
*ネブラスカ82557571
ノース・カロライナ56607150
*ノース・ダコタ621446
*オハイオ72294752
*サウス・ダコタ83163556
テネシー57435549
ウィスコンシン80395852
18州平均74395659
表4 大豆の発芽率(出展元 USDA)
-はデータなし
降水量と最低気温
図5 今後7日間の降水量予報 (出展元 NOAA)

 図5は今後7日間の降水量予報となっており、コーンベルト東側の広い範囲で0.25インチ(約7mm)~1.0インチ(約25mm)の降水、西側では0.25インチ(約7mm)~2.0インチ(約51mm)の降水の予報となっている。コーンベルト西側のウィスコンシン州北部やミネソタ州では雨が少なく約0.1インチ(約3mm)の見通し。

図6 7日後の最低気温予報 (出展元 NOAA)

 図6は7日後の最低気温予報(華氏)となっている。コーンベルトでは東側では60~70℉(16~21℃)、西側では55~75℉(12~24℃)付近の気温となる予報となっている。

今後の見通し

 ブラジル南部のサフリナコーンの主要産地では再び霜が観測されたが、大きな被害は出なかった。一方で南部の一部ではコーンの害虫の被害が広がっている。対して中央部や北部では全く雨の降らない乾燥状態が続いており被害が懸念される。ブラジルのConabは明日8日に6月の穀物報告を発表する。サフリナコーンの予想生産量に注目したい。
 アルゼンチンでは大豆の収穫が進みほぼ終了に近くなっている。ブエノス・アイレス穀物取引所の発表する大豆の予想生産量は収量が予想を上回っていることから4330万トンと前週より130万トン引き上げられた。コーンも早植のものから収穫が行われているが、こちらは農作業が停滞気味となっている。ブエノス・アイレス穀物取引所はコーンの予想生産量を今週も据え置いていた。
 アメリカでは今週からコーンの作柄予想が始まった。現時点の予想は前年並みの作柄を予想している。コーンの作付はほぼ終了、大豆の作付も進展している。コーンベルト西側のノース・ダコタ州からミネソタ州にかけての地域で農作業に遅れが見られる以外はおおむね順調と考えている。USDAは金曜日に6月の需給報告を発表するので注目したい。
 大豆とコーンの相場は農作業の進展が懸念材料となる一方で、黒海沿岸からのウクライナ産穀物の輸出交渉が難航していることから上昇している小麦相場の影響を受けている。続報に注意したい。今週はアメリカとブラジルで公的機関の予想が発表されるので内容に注目したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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