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レポート
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2022/07/21

レポート:EIA週間原油統計(2022年7月21日)

ダイジェスト

・原油在庫は44万バレル減少
 原油生産量は日量1190万バレルで前週から10万バレルの減少
 輸出入では輸入量が651万バレル、輸出量が375万バレルで276万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は93.7%で前週比で1.2%低下、原油処理量は32万バレルの減少
 Adjustmentによる在庫調整は増加側で調整量は88万バレル
・ガソリン在庫は349万バレル増加
(生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)で在庫増加
 ガソリン生産量は44万バレル増加、輸入量は15万バレル増加
 ガソリン出荷量は46万バレル増加、輸出量は4万バレル減少
・留出油在庫は129万バレル減少
 (生産量+輸入量)<(出荷量+輸出量)で在庫減少に転じる
 留出油の生産量は10万バレル減少、輸入量は1万バレル減少
 留出油の出荷量は33万バレル増加、輸出量は12万バレル増加
・原油と石油製品を合わせた在庫量は16億8880万バレルで前週より390万バレル減少
・オクラホマ州クッシング在庫は114万バレル増加の2280万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率は30.0%
・石油製品の出荷量は230万バレル増加した日量2102万バレルとなり、好調さの目安である日量2000万バレルを2週間ぶりに上回る
・燃料卸売価格の発表ではガソリンは約22セントの下落、ディーゼル燃料は約2セントの下落、ガソリン小売価格は約15セントの下落、ディーゼル燃料の小売価格は約13セント下落

EIA週間統計の総評

 日本時間7月20日23時半にEIAから週間在庫統計が発表された。原油在庫は44万バレルの減少だった。製油所の稼働率は前週比で1.2%低下した93.7%、原油消費量は前週比で32万バレル減少した1631万バレルだった。石油製品ではガソリン在庫が349万バレルの増加、留出油在庫は129万バレルの減少となった。WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの原油在庫は114万バレル増加した2280万バレルだった。前日の原油相場はアメリカの原油在庫の減少や原油生産の減少が支援材料となり上昇した。最新データによると米国の戦略備蓄の量は4億8010万バレルだった。
 原油生産は日量1190万バレルと前週から10万バレルの減少、原油輸入量は前週比で15万バレル減少した日量651万バレル、輸出量は日量73万バレル増加した日量375万バレルとなり輸出入全体としては376万バレルの輸入超過となっている。ガソリン高に対応するため戦略備蓄(SPR)が日量71万バレル放出されている。原油と全ての石油製品を合わせた在庫は16億8880万バレルと前週比で390万バレルの減少となった。

原油と石油製品の在庫(表1)

 表1は過去4週間分の結果を示している。原油の在庫は44万バレル減少した4億2660万バレル、ガソリン在庫は349万バレル増加した2億2840万バレル、留出油在庫が129万バレル減少した1億1250万バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は114万バレル増加した2280万バレルだった。

API統計EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)190増44減325増823増276減
ガソリン(万バレル)130増349増582増249減264増
留出油(万バレル)220減129減266増126減255増
クッシング在庫(万バレル)114増31増7増78減
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)
*千バレル以下は切り捨て

 図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)を比較している。原油在庫は過去5年間の在庫レンジの下限値付近、ガソリン在庫と留出油在庫は過去5年間の在庫レンジの下限以下となっている。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と表3)

 表2は原油の生産量と輸出入についてまとめている。原油生産量は日量1190万バレルと前週から10万バレルの減少。原油輸入量は前週比で15万バレル減少した日量651万バレル、輸出量は前週比で73万バレル増加した375万バレルで276万バレルの輸入超過となった。Adjustmentは需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)の辻褄を合わせて相殺するために需給の計算に加えられる。今週の統計のAdjustmentは先週から41万バレル増加した88万バレルが在庫を増加させる形で加わっている。

原油生産と輸出入今週前週2週前3週前4週平均前年
同時期
原油生産(万バレル/日) 119012001210121012021140
戦略備蓄増加(万バレル/日)-77-98-83-99-880
原油輸入(万バレル/日) 651667683599650709
原油輸出(万バレル/日) 375302261338319246
Adjustment(万バレル/日)884745565927
表2 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している。千バレル以下は切り捨て

 アメリカの原油輸入国上位10か国の国別内訳と前週からの輸入量の増減は表3の通り。今週はメキシコ、コロンビア、イラク、ナイジェリアからの輸入が増加した。一方で、カナダ、サウジ・アラビア、ブラジルからの輸入量が減少した。

輸入国輸入量(万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ348382-34
メキシコ8761+26
サウジ・アラビア2463-39
コロンビア4021+19
イラク4530+15
エクアドル514-9
ブラジル714-7
ロシア00+-0
ナイジェリア137+6
トリニダード・トバゴ00+-0
表3 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
*千バレル以下は切り捨て
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

 表4は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。製油所稼働率は前週から1.2%低下した93.7%となり、製油所への原油投入量は前週比で32万バレル減少した日量1631万バレルとなった。石油製品の生産ではガソリン生産が前週から44万バレル増加した日量936万バレル、ジェット燃料生産は前週から1万バレル増加した日量162万バレル、留出油生産は前週から10万バレル減少した日量503万バレルだった。

製油所稼働率等今週前週2週前3週前4週平均前年度
同時期
原油投入量(万バレル/日)163116641643166616511600
製油所稼働率(%)93.794.994.595.094.591.4
ガソリン生産(万バレル/日)  9368921034949953913
ガソリン輸入(万バレル/日) 8671948283137
ジェット燃料生産(万バレル/日)162161166162163144
ジェット燃料輸入(万バレル/日)71221586
留出油生産(万バレル/日)   503513537513517490
留出油輸入(万バレル/日)  1213109158
表4 石油製品生産量(供給) (出展元 EIA)
*千バレル以下は切り捨て
石油製品供給(日量、需要)(表5)

 表5は主要石油製品の出荷量(需要)と輸出量の内訳一覧となる。ガソリン出荷量は前週から46万バレル増加した日量852万バレル、ジェット燃料の出荷量は前週から28万バレル増加した日量164万バレル、留出油の出荷量は前週から33万バレル増加した日量369万バレルだった。

石油製品
出荷量(日量)
今週前週2週前3週前4週
平均
前年
同時期
ガソリン出荷(万バレル/日)852806941892872929
ガソリン輸出(万バレル/日)8084101969086
ジェット燃料出荷(万バレル/日) 164136180148157140
ジェット燃料輸出(万バレル/日)27171018188
留出油出荷(万バレル/日) 369336438356375392
留出油輸出(万バレル/日) 164152128129143125
表5 石油製品出荷量(需要) (出展元 EIA)
*千バレル以下は切り捨て
石油製品需給(日量)

 原油の需要面では製油所稼働率が前週から1.2%低下した93.7%となり、原油消費量は前週より32万バレル減少した日量1631万バレルだった。
 主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で44万バレル増加した日量936万バレル、輸入量は15万バレル増加した日量86万バレルだった。ガソリンの出荷量は前週比で46万バレル増加した日量806万バレル、輸出量は前週から4万バレル減少した日量80万バレルだった。生産量と輸入量が増加したが、出荷量の増加で349万バレル増と在庫増加幅が減少した。
 留出油は生産量が前週から10万バレル減少した日量503万バレル、輸入量は前週から1万バレル減少した日量12万バレルだった。留出油の出荷量は前週から33万バレル増加した日量369万バレル、輸出量は前週から12万バレル増加した日量164万バレルとなった。出荷量の増加で129万バレルの在庫減少に転じた。
 ジェット燃料生産量は前週から1万バレル増加した162万バレル、出荷量は前週から8万バレル増加した164万バレルだった。
 石油製品全体の出荷量(需要)は前週比で230万バレル増加した日量2102万バレルとなり、石油製品消費の好調さの目安の一つとなる日量2000万バレルを2週間ぶりに上回った。今週は原油在庫が44万バレル減少、ガソリン在庫が349万バレルの増加、留出油在庫が129万バレルの減少となった。ガソリンや留出油だけでなく、灯油や重油、エタノールなど全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比で390万バレル減少した16億8880万バレルとなった。

石油製品価格(表6と表7)

 表6はニューヨーク港渡しの石油製品のスポット卸売価格となる。ガソリン卸売価格は約22セントの大幅下落、ディーゼル燃料の卸売価格は約2セントの下落、原油価格は約7.2ドルの下落だった。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
7/157/87/16/246/17前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.4193.6453.8123.9663.8882.243
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
3.7893.7644.0264.3664.4402.102
原油
(ドル/バレル)
99.59106.78110.30109.07109.5671.76
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)
-は公表データなし

 表7は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果となる。ガソリン小売価格は前週比で約15セントの下落、ディーゼル燃料の小売価格は約13セントの下落だった。

小売価格 7/18 7/11 7/4 6/27 6/20 前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
4.4904.6464.7714.8723.153
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
4.9945.1475.2615.3553.592
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
5.2855.4425.5755.6643.839
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
5.4325.5685.6753.344
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)
-は公表データなし

今後の見通し

 アメリカの原油生産量は前週から10万バレル減少した日量1190万バレルだった。需要面では製油所稼働率が前週から1.2%低下した93.7%となり、原油消費量は32万バレル減少した日量1631万バレルとなった。原油輸入量は前週比で日量15万バレル減少した日量651万バレル、輸出量が73万バレル増加した日量375万バレルとなり、276万バレルの輸入超過となっている。原油消費量は減少したが、輸出量の増加、生産量と輸入量の減少で原油在庫は44万バレルの減少となった。
 ガソリンは生産量が44万バレルの増加、ガソリン輸入量は15万バレルの増加となった。一方で、ガソリン出荷量は46万バレルの増加、ガソリン輸出量は4万バレルの減少となった。ガソリン在庫は349万バレル増と増加幅が減少した。留出油は生産量が10万バレル減少、輸入量は1万バレルの減少となった。一方で出荷量は33万バレルの増加、輸出量が12万バレルの増加となった。出荷量の増加で留出油在庫は129万バレル減と在庫減少に転じた。燃料小売価格はガソリンが約15セントの下落、ディーゼル燃料の小売価格は約13セントの下落だった。
 全ての石油製品の出荷量は日量230万バレル増加した2102万バレルとなり、石油製品消費の好調さの目安である日量2000万バレルを2週振りに上回った。ガソリンやディーゼル燃料に加えてエタノールや液化プロパンなど全ての石油製品と原油を合わせた在庫は390万バレル減少した16億8880万バレルとなった。
 原油相場は金融引き締めへの懸念や中国の新型コロナウイルス対策強化による需要減を材料に下落していたが、インフレの一段落との見方が広がったことや、米国の原油需給がタイトになっていることを材料に一旦上昇している。来週予定されているFOMCまで方向感のない動きが続くのではないだろうか。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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