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レポート
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2022/07/28

レポート:EIA週間原油統計(2022年7月28日)

ダイジェスト

・原油在庫は452万バレル減少
 原油生産量は日量1210万バレルで前週から20万バレルの増加
 輸出入では輸入量が616万バレル、輸出量が454万バレルで162万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は92.2%で前週比で1.5%低下、原油処理量は29万バレルの減少
 Adjustmentによる在庫調整は増加側で調整量は86万バレル
・ガソリン在庫は330万バレル減少
(生産量+輸入量)<(出荷量+輸出量)で在庫減少に転じる
 ガソリン生産量は29万バレル増加、輸入量は27万バレル減少
 ガソリン出荷量は72万バレルと大幅増加、輸出量は27万バレル減少
・留出油在庫は78万バレル減少
 (生産量+輸入量)<(出荷量+輸出量)で在庫減少
 留出油の生産量は2万バレル減少、輸入量は横ばい
 留出油の出荷量は5万バレル増加、輸出量は15万バレル減少
・原油と石油製品を合わせた在庫量は16億7990万バレルで前週より890万バレル減少
・オクラホマ州クッシング在庫は75万バレル増加の2350万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率は30.9%
・石油製品の出荷量は104万バレル減少した日量1997万バレルとなり、好調さの目安である日量2000万バレルを2週間ぶりに下回る
・燃料卸売価格の発表ではガソリンは約7セントの下落、ディーゼル燃料は約26セントの下落、ガソリン小売価格は約16セントの下落、ディーゼル燃料の小売価格は約17セント下落

EIA週間統計の総評

 日本時間7月27日23時半にEIAから週間在庫統計が発表された。原油在庫は452万バレルの減少だった。製油所の稼働率は前週比で1.5%低下した92.2%、原油消費量は前週比で29万バレル減少した1602万バレルだった。石油製品ではガソリン在庫が330万バレルの減少、留出油在庫は78万バレルの減少となった。WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの原油在庫は75万バレル増加した2350万バレルだった。前日の原油相場はアメリカの原油在庫の減少や原油輸出の増加が支援材料となり上昇した。最新データによると米国の戦略備蓄の量は4億7450万バレルだった。
 原油生産は日量1210万バレルと前週から20万バレルの増加、原油輸入量は前週比で35万バレル減少した日量616万バレル、輸出量は日量78万バレル増加した日量454万バレルとなり輸出入全体としては162万バレルの輸入超過となっている。ガソリン高に対応するため戦略備蓄(SPR)が日量80万バレル放出されている。原油と全ての石油製品を合わせた在庫は16億7990万バレルと前週比で890万バレルの減少となった。

原油と石油製品の在庫(表1)

 表1は過去4週間分の結果を示している。原油の在庫は452万バレル減少した4億2210万バレル、ガソリン在庫は330万バレル減少した2億2510万バレル、留出油在庫が78万バレル減少した1億1170万バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は75万バレル増加した2350万バレルだった。

API統計EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)400減452減44減325増823増
ガソリン(万バレル)110減330減349増582増249減
留出油(万バレル)60減78減129減266増126減
クッシング在庫(万バレル)75増114増31増7増
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)
*千バレル以下は切り捨て

 図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)を比較している。原油在庫は過去5年間の在庫レンジの下限値付近、ガソリン在庫と留出油在庫は過去5年間の在庫レンジの下限以下となっている。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と表3)

 表2は原油の生産量と輸出入についてまとめている。原油生産量は日量1210万バレルと前週から20万バレルの増加。原油輸入量は前週比で35万バレル減少した日量616万バレル、輸出量は前週比で78万バレル増加した454万バレルで162万バレルの輸入超過となった。Adjustmentは需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)の辻褄を合わせて相殺するために需給の計算に加えられる。今週の統計のAdjustmentは先週から2万バレル減少した86万バレルが在庫を増加させる形で加わっている。

原油生産と輸出入今週前週2週前3週前4週平均前年
同時期
原油生産(万バレル/日) 121011901200121012021120
戦略備蓄増加(万バレル/日)-80-77-98-83-830
原油輸入(万バレル/日) 616651667683655650
原油輸出(万バレル/日) 454375302261348248
Adjustment(万バレル/日)86884745667
表2 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している。千バレル以下は切り捨て

 アメリカの原油輸入国上位10か国の国別内訳と前週からの輸入量の増減は表3の通り。今週はサウジ・アラビア、エクアドル、ブラジルからの輸入が増加した。一方で、カナダ、メキシコ、コロンビア、イラクからの輸入量が減少した。

輸入国輸入量(万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ330348-18
メキシコ6387-14
サウジ・アラビア5124+27
コロンビア1540-25
イラク1645-29
エクアドル155+10
ブラジル277+20
ロシア00+-0
ナイジェリア1413+1
トリニダード・トバゴ00+-0
表3 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
*千バレル以下は切り捨て
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

 表4は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。製油所稼働率は前週から1.5%低下した92.2%となり、製油所への原油投入量は前週比で29万バレル減少した日量1602万バレルとなった。石油製品の生産ではガソリン生産が前週から29万バレル増加した日量965万バレル、ジェット燃料生産は前週から13万バレル増加した日量176万バレル、留出油生産は前週から2万バレル減少した日量500万バレルだった。

製油所稼働率等今週前週2週前3週前4週平均前年度
同時期
原油投入量(万バレル/日)160216311664164316351587
製油所稼働率(%)92.293.794.994.593.891.1
ガソリン生産(万バレル/日)  9659368921034957977
ガソリン輸入(万バレル/日) 598671947890
ジェット燃料生産(万バレル/日)176162161166166144
ジェット燃料輸入(万バレル/日)137122927
留出油生産(万バレル/日)   500503513537513448
留出油輸入(万バレル/日)  121213101218
表4 石油製品生産量(供給) (出展元 EIA)
*千バレル以下は切り捨て
石油製品供給(日量、需要)(表5)

 表5は主要石油製品の出荷量(需要)と輸出量の内訳一覧となる。ガソリン出荷量は前週から72万バレル増加した日量924万バレル、ジェット燃料の出荷量は前週から12万バレル増加した日量177万バレル、留出油の出荷量は前週から5万バレル増加した日量375万バレルだった。

石油製品
出荷量(日量)
今週前週2週前3週前4週
平均
前年
同時期
ガソリン出荷(万バレル/日)924852806941881932
ガソリン輸出(万バレル/日)7680841018571
ジェット燃料出荷(万バレル/日) 177164136180164165
ジェット燃料輸出(万バレル/日)8271710166
留出油出荷(万バレル/日) 375369336438379392
留出油輸出(万バレル/日) 149164152128148101
表5 石油製品出荷量(需要) (出展元 EIA)
*千バレル以下は切り捨て
石油製品需給(日量)

 原油の需要面では製油所稼働率が前週から1.5%低下した92.2%となり、原油消費量は前週より29万バレル減少した日量1602万バレルだった。
 主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で29万バレル増加した日量965万バレル、輸入量は27万バレル減少した日量59万バレルだった。ガソリンの出荷量は前週比で72万バレル増加した日量924万バレル、輸出量は前週から4万バレル減少した日量76万バレルだった。生産量が増加したが、出荷量の大幅増加で330万バレル減と在庫減少に転じた。
 留出油は生産量が前週から2万バレル減少した日量500万バレル、輸入量は前週から横ばいの日量12万バレルだった。留出油の出荷量は前週から5万バレル増加した日量375万バレル、輸出量は前週から15万バレル減少した日量149万バレルとなった。輸出量の減少で78万バレルと在庫減少幅が縮小した。
 ジェット燃料生産量は前週から13万バレル増加した176万バレル、出荷量は前週から12万バレル増加した177万バレルだった。
 石油製品全体の出荷量(需要)は前週比で104万バレル減少した日量1997万バレルとなり、石油製品消費の好調さの目安の一つとなる日量2000万バレルを2週間ぶりに下回った。今週は原油在庫が452万バレル減少、ガソリン在庫が330万バレルの減少、留出油在庫が78万バレルの減少となった。ガソリンや留出油だけでなく、灯油や重油、エタノールなど全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比で890万バレル減少した16億7990万バレルとなった。

石油製品価格(表6と表7)

 表6はニューヨーク港渡しの石油製品のスポット卸売価格となる。ガソリン卸売価格は約7セントの下落、ディーゼル燃料の卸売価格は約26セントの大幅下落、原油価格は約1.8ドルの下落だった。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
7/227/157/87/16/24前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.3463.4193.6453.8123.9662.243
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
3.5273.7893.7644.0264.3662.102
原油
(ドル/バレル)
97.7199.59106.78110.30109.0771.76
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)
-は公表データなし

 表7は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果となる。ガソリン小売価格は前週比で約16セントの下落、ディーゼル燃料の小売価格は約17セントの下落だった。

小売価格 7/25 7/18 7/11 7/4 6/27 前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
4.3304.4904.6464.7714.8723.136
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
4.8364.9945.1475.2615.3553.584
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
5.1405.2855.4425.5755.6643.829
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
5.2685.4325.5685.6753.342
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)
-は公表データなし

今後の見通し

 アメリカの原油生産量は前週から20万バレル増加した日量1210万バレルだった。需要面では製油所稼働率が前週から1.5%低下した92.2%となり、原油消費量は29万バレル減少した日量1602万バレルとなった。原油輸入量は前週比で日量35万バレル減少した日量616万バレル、輸出量が78万バレル増加した日量454万バレルとなり、162万バレルの輸入超過となっている。原油消費量は減少したが、輸出量の増加と輸入量の減少で原油在庫は452万バレルの減少となった。
 ガソリンは生産量が29万バレルの増加、ガソリン輸入量は27万バレルの減少となった。一方で、ガソリン出荷量は72万バレルの大幅増加、ガソリン輸出量は4万バレルの減少となった。出荷量の増加でガソリン在庫は330万バレル減と在庫減少に転じた。留出油は生産量が2万バレル減少、輸入量は前週から横ばいとなった。一方で出荷量は5万バレルの増加、輸出量が15万バレルの減少となった。輸出量の減少で留出油在庫は78万バレル減と在庫減少幅が縮小した。燃料小売価格はガソリンが約16セントの下落、ディーゼル燃料の小売価格は約17セントの下落だった。
 全ての石油製品の出荷量は日量104万バレル減少した1997万バレルとなり、石油製品消費の好調さの目安である日量2000万バレルを2週振りに下回った。ガソリンやディーゼル燃料に加えてエタノールや液化プロパンなど全ての石油製品と原油を合わせた在庫は890万バレル減少した16億7990万バレルとなった。
 原油相場はアメリカの原油在庫の減少や原油輸出量の増加を材料に上昇している。しかし、ガソリンなど石油製品の出荷が増える一方で、価格が大幅下落しており、需要が伸び悩んでいることが推測される。来週8月3日にOPECプラスが8月の会合を開く、2020年4月以来の減産が終了した後の来月9月以降に原油の生産調整が行われるかに注目が集まっている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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