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レポート
column

2022/08/04

レポート:EIA週間原油統計(2022年8月4日)

ダイジェスト

・原油在庫は446万バレル増加
 原油生産量は日量1210万バレルで前週から横ばい
 輸出入では輸入量が734万バレル、輸出量が351万バレルで383万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は91.0%で前週比で1.2%低下、原油処理量は17万バレルの減少
 Adjustmentによる在庫調整は減少側で調整量は10万バレル
・ガソリン在庫は16万バレル増加
(生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)で在庫増加に転じる
 ガソリン生産量は35万バレル増加、輸入量は1万バレル増加
 ガソリン出荷量は70万バレルと大幅減少、輸出量は8万バレル増加
・留出油在庫は240万バレル減少
 (生産量+輸入量)<(出荷量+輸出量)で在庫減少
 留出油の生産量は7万バレル減少、輸入量は11万バレル増加
 留出油の出荷量は12万バレル増加、輸出量は14万バレル増加
・原油と石油製品を合わせた在庫量は16億7990万バレルで前週より890万バレル減少
・オクラホマ州クッシング在庫は92万バレル増加の2450万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率は32.2%
・石油製品の出荷量は2万バレル減少した日量1994万バレルとなり、好調さの目安である日量2000万バレルを2週連続で下回る
・燃料卸売価格の発表ではガソリンは約5セントの上昇、ディーゼル燃料は約8セントの上昇、ガソリン小売価格は約11~12セントの下落、ディーゼル燃料の小売価格は約13セント下落

EIA週間統計の総評

 日本時間8月3日23時半にEIAから週間在庫統計が発表された。原油在庫は446万バレルの増加だった。製油所の稼働率は前週比で1.2%低下した91.0%、原油消費量は前週比で17万バレル減少した1585万バレルだった。石油製品ではガソリン在庫が16万バレルの増加、留出油在庫は540万バレルの減少となった。WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの原油在庫は92万バレル増加した2450万バレルだった。前日の原油相場は世界経済の減速による原油需要の減少懸念やアメリカの原油在庫の増加が支援材料となり上昇した。最新データによると米国の戦略備蓄の量は4億6990万バレルだった。
 原油生産は日量1210万バレルと前週から横ばい、原油輸入量は前週比で117万バレル増加した日量734万バレル、輸出量は日量103万バレル減少した日量351万バレルとなり輸出入全体としては383万バレルの輸入超過となっている。ガソリン高に対応するため戦略備蓄(SPR)が日量67万バレル放出されている。原油と全ての石油製品を合わせた在庫は16億7880万バレルと前週比で120万バレルの減少となった。

原油と石油製品の在庫(表1)

 表1は過去4週間分の結果を示している。原油の在庫は446万バレル増加した4億2660万バレル、ガソリン在庫は16万バレル増加した2億2530万バレル、留出油在庫が240万バレル減少した1億930万バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は92万バレル増加した2450万バレルだった。

API統計EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)220増446増452減44減325増
ガソリン(万バレル)20減16増330減349増582増
留出油(万バレル)40減240減78減129減266増
クッシング在庫(万バレル)92増75増114増31増
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)
*千バレル以下は切り捨て

 図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)を比較している。原油在庫は過去5年間の在庫レンジの下限値付近、ガソリン在庫と留出油在庫は過去5年間の在庫レンジの下限以下となっている。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と表3)

 表2は原油の生産量と輸出入についてまとめている。原油生産量は日量1210万バレルと前週から横ばい。原油輸入量は前週比で117万バレル増加した日量734万バレル、輸出量は前週比で103万バレル減少した351万バレルで383万バレルの輸入超過となった。Adjustmentは需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)の辻褄を合わせて相殺するために需給の計算に加えられる。今週の統計のAdjustmentは先週から97万バレル減少した10万バレルが在庫を減少させる形で加わっている。

原油生産と輸出入今週前週2週前3週前4週平均前年
同時期
原油生産(万バレル/日) 121012101190120012021120
戦略備蓄増加(万バレル/日)-67-80-77-98-790
原油輸入(万バレル/日) 734616651667667643
原油輸出(万バレル/日) 351454375302371190
Adjustment(万バレル/日)-108688475271
表2 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している。千バレル以下は切り捨て

 アメリカの原油輸入国上位10か国の国別内訳と前週からの輸入量の増減は表3の通り。今週はカナダ、メキシコ、コロンビア、イラクからの輸入が増加した。一方で、サウジ・アラビア、エクアドル、ブラジル、ナイジェリアからの輸入量が減少した。

輸入国輸入量(万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ367330+37
メキシコ8163+18
サウジ・アラビア5051-1
コロンビア3215+17
イラク3616+20
エクアドル2415+9
ブラジル2127-6
ロシア00+-0
ナイジェリア514-9
トリニダード・トバゴ00+-0
表3 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
*千バレル以下は切り捨て
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

 表4は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。製油所稼働率は前週から1.2%低下した91.0%となり、製油所への原油投入量は前週比で17万バレル減少した日量1585万バレルとなった。石油製品の生産ではガソリン生産が前週から36万バレル減少した日量929万バレル、ジェット燃料生産は前週から3万バレル減少した日量173万バレル、留出油生産は前週から7万バレル減少した日量493万バレルだった。

製油所稼働率等今週前週2週前3週前4週平均前年度
同時期
原油投入量(万バレル/日)158516021631166416211592
製油所稼働率(%)91.092.293.794.992.991.3
ガソリン生産(万バレル/日)  9299659368929311015
ガソリン輸入(万バレル/日) 605986716985
ジェット燃料生産(万バレル/日)173176162161168143
ジェット燃料輸入(万バレル/日)1213712115
留出油生産(万バレル/日)   493500503513502487
留出油輸入(万バレル/日)  231212131516
表4 石油製品生産量(供給) (出展元 EIA)
*千バレル以下は切り捨て
石油製品供給(日量、需要)(表5)

 表5は主要石油製品の出荷量(需要)と輸出量の内訳一覧となる。ガソリン出荷量は前週から70万バレル減少した日量854万バレル、ジェット燃料の出荷量は前週から33万バレル減少した日量144万バレル、留出油の出荷量は前週から12万バレル増加した日量387万バレルだった。

石油製品
出荷量(日量)
今週前週2週前3週前4週
平均
前年
同時期
ガソリン出荷(万バレル/日)854924852806859977
ガソリン輸出(万バレル/日)847680848162
ジェット燃料出荷(万バレル/日) 144177164136155164
ジェット燃料輸出(万バレル/日)19827171810
留出油出荷(万バレル/日) 387375369336367361
留出油輸出(万バレル/日) 163149164152157130
表5 石油製品出荷量(需要) (出展元 EIA)
*千バレル以下は切り捨て
石油製品需給(日量)

 原油の需要面では製油所稼働率が前週から1.2%低下した91.0%となり、原油消費量は前週より17万バレル減少した日量1585万バレルだった。
 主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で35万バレル増加した日量929万バレル、輸入量は1万バレル増加した日量60万バレルだった。ガソリンの出荷量は前週比で70万バレル減少した日量854万バレル、輸出量は前週から8万バレル増加した日量84万バレルだった。生産量の増加と出荷量の減少で16万バレル増と在庫増加に転じた。
 留出油は生産量が前週から7万バレル減少した日量493万バレル、輸入量は前週から11万バレル増加した日量23万バレルだった。留出油の出荷量は前週から12万バレル増加した日量387万バレル、輸出量は前週から14万バレル増加した日量163万バレルとなった。出荷量と輸出量の増加で240万バレルと在庫減少幅が拡大した。
 ジェット燃料生産量は前週から3万バレル減少した173万バレル、出荷量は前週から33万バレル減少した144万バレルだった。
 石油製品全体の出荷量(需要)は前週比で2万バレル減少した日量1994万バレルとなり、石油製品消費の好調さの目安の一つとなる日量2000万バレルを2週連続で下回った。今週は原油在庫が446万バレル増加、ガソリン在庫が16万バレルの増加、留出油在庫が240万バレルの減少となった。ガソリンや留出油だけでなく、灯油や重油、エタノールなど全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比で120万バレル減少した16億7880万バレルとなった。

石油製品価格(表6と表7)

 表6はニューヨーク港渡しの石油製品のスポット卸売価格となる。ガソリン卸売価格は約5セントの上昇、ディーゼル燃料の卸売価格は約8セントの上昇、原油価格は約3.6ドルの下落だった。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
7/297/227/157/87/1前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.3913.3463.4193.6453.8122.243
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
3.6073.5273.7893.7644.0262.102
原油
(ドル/バレル)
101.3197.7199.59106.78110.3071.76
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)
-は公表データなし

 表7は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果となる。ガソリン小売価格は前週比で約11~12セントの下落、ディーゼル燃料の小売価格は約13セントの下落だった。

小売価格 8/1 7/25 7/18 7/11 7/4 前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
4.1924.3304.4904.6464.7713.159
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
4.7034.8364.9945.1475.2613.607
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
5.0175.1405.2855.4425.5753.861
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
5.1385.2685.4325.5685.6753.367
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)
-は公表データなし

今後の見通し

 アメリカの原油生産量は前週から横ばいの日量1210万バレルだった。需要面では製油所稼働率が前週から1.2%低下した91.0%となり、原油消費量は17万バレル減少した日量1585万バレルとなった。原油輸入量は前週比で日量117万バレル増加した日量734万バレル、輸出量が103万バレル減少した日量351万バレルとなり、383万バレルの輸入超過となっている。原油消費量は減少したが、輸入量の増加と輸出量の減少で原油在庫は446万バレルの増加となった。
 ガソリンは生産量が35万バレルの増加、ガソリン輸入量は1万バレルの増加となった。一方で、ガソリン出荷量は70万バレルの大幅減少、ガソリン輸出量は8万バレルの増加となった。出荷量の減少でガソリン在庫は16万バレル増と在庫増加に転じた。留出油は生産量が7万バレル減少、輸入量は前週から11万バレルの増加となった。一方で出荷量は12万バレルの増加、輸出量が14万バレルの増加となった。出荷量と輸出量の増加で留出油在庫は240万バレル減と在庫減少幅が拡大した。燃料小売価格はガソリンが約11~12セントの下落、ディーゼル燃料の小売価格は約13セントの下落だった。
 全ての石油製品の出荷量は日量2万バレル減少した1994万バレルとなり、石油製品消費の好調さの目安である日量2000万バレルを2週連続で下回った。ガソリンやディーゼル燃料に加えてエタノールや液化プロパンなど全ての石油製品と原油を合わせた在庫は120万バレル減少した16億7880万バレルとなった。
 原油相場はアメリカの原油在庫の増加や世界経済の減速による原油需要の縮小懸念を材料に下落している。またガソリンの出荷が減少しているが、価格が引き続き大幅に下落しており、需要が伸び悩みが顕在化しているのではないだろうか。今週8月5日に雇用統計が発表される。今後の米国の原油需要を占うことになると考えられるので注目したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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