穀物について、USDAクロッププログレスレポート(つらつら分析2019年11月26日)

図1 大豆時間足(出展元 サクソバンク証券株式会社
図2 コーン時間足(出展元 サクソバンク証券株式会社

昨日の大豆相場(図1)は米中協議をめぐる報道に左右された。欧州時間では米中の通商協議合意へ楽観視から大豆に買いが入ったが、立会時間になると米中通商協議の先行き見通しの不透明感や南米産地の天候回復などが懸念材料となり売りが入った。この日発表のUSDAの輸出検証高は194.2万トン(中国向け134.9万トン)と前週の153.7万トン(中国向け91.3万トン)を上回る好調な結果だったが、市場の反応は乏しく下落となった。一方のコーン相場(図2)は大きく値動きする材料自体に乏しかった。コーンの輸出検証高は60.4万トンと前週の65.1万トンを下回ったが下げる材料とはならず、上げて引けた。
今日も今週のUSDA(アメリカ農務省) クロッププログレスレポートを見ていこう。また、CFTC(アメリカ商品先物取引委員会)発表の建玉数の中身を見ていきたい。
大豆のプログレスレポートでは今年の収穫の94%が終了し、前年の収穫率に追いついた。平年に比べれば遅れているが、今月内には収穫が終了する見込み。

大豆    今週    前週    前年    平年    
収穫率94%91%94%97%

次にCTFC発表の最近5週間の大豆の建玉数は以下の通り。

    総建玉   大口投機家
買玉  
大口投機家
売玉  
差引    大口当業者
買玉  
大口当業者
売玉  
差引    
10/22795,241180,50889,05291,456380,019469,469-89,450
10/29714,564182,74880,065102,683330,438421,365-101,927
11/5704,165178,31683,38391,933329,221415,848-86,627
11/12743,089166,94898,61468,334366,448427,398-60,950
11/19765,303162,418102,50459,914380,687435,970-55,283

図3は先週までの2019年の大豆建玉数、建玉の前週比、買い越し数となっている。投機筋は先週に比べて買玉より売玉を増やしたため、買い越し数は8000枚ほど減少している。

コーンのプログレスレポートは以下の表の通り。コーンの収穫は好天に恵まれて約10%進み、ようやく8割以上の収穫が終了した。

コーン    今週    前週    前年    平年    
収穫率84%76%93%96%

次にCFTC発表の最近5週間のコーンの建玉数は以下の通り。

    総建玉   大口投機家
買玉  
大口投機家
売玉  
差引    大口当業者
買玉  
大口当業者
売玉  
差引    
10/221,608,763312,403323,782-11,379723,726790,334-66,608
10/291,591,878303,450311,503-8,053715,620786,018-70,398
11/51,609,336300,831326,818-25,987740,234794,251-54,017
11/121,610,507304,283336,269-31,986716,483766,035-49,552
11/191,641,549319,265345,759-26,494731,533786,689-55,156

図4は先週までの2019年のコーン建玉数、建玉前週比、買い越し数となっている。投機筋は先週に比べて売玉より買玉を5000枚ほど増やしているため売り越しが減少している。

図5は今日のアメリカの天気予報(図5A)と気温(図5B)で山岳部では雪が降る大荒れの天気となっているが、コーンベルトは北部でみぞれや雨が降っているが大きな影響はないと思われる。図6は6-10日後(図6A)と8-14日後(図6B)の気温予報となるが、今週の後半から来週にかけては気温が下がり、2週間後も気温が平年より低下したままと予想されている。

次に、週ごとの大豆とコーンの収穫率の詳細を見ていきたい。
下の表は大豆で、大豆の収穫は多くの州ではほぼ終わったといってよいが、特に遅れているミシガンとウィスコンシンではまだ収穫率が8割台となっている。

州名       今週収穫率(%)    前週収穫率(%)    平年収穫率(%)      
アーカンソー969395
イリノイ959298
インディアナ949195
アイオワ979598
カンザス959292
ケンタッキー928883
ルイジアナ10010099
ミシガン807691
ミネソタ989799
ミシシッピー989798
ミズーリ918389
ネブラスカ1009999
ノースカロライナ676159
ノースダコタ898498
オハイオ939095
サウスダコタ999599
テネシー918585
ウィスコンシン827795
平均949195

次にコーンの収穫の方は84%まで終了した。遅れている北部4州(ノース・ダコタ、サウス・ダコタ、ウィスコンシン、ミシガン)でも収穫が進展している。

州名       今週収穫率(%)    前週収穫率(%)    平年収穫率(%)    
コロラド969294
イリノイ888099
インディアナ898095
アイオワ867797
カンザス979598
ケンタッキー999898
ミシガン563983
ミネソタ867797
ミズーリ928599
ネブラスカ938596
ノースカロライナ100100100
ノースダコタ302391
オハイオ837591
ペンシルベニア807287
サウスダコタ685396
テネシー100100100
テキサス989597
ウィスコンシン574485
平均847696

まとめると、大豆は月内にも収穫終了が終了する見込み。先週の筆者は月末と予想したが、ほぼ予想通りとなった。コーンは、なお収穫終了までには3週間程度の時間が必要な見込み。現在の大豆相場は米中協議関連のニュースで高下する状態がまだつづいている。ただし、中国向けの大豆の輸出が今週も好調だったが今週もまた大きな買い材料にはならなかった。一方のコーン相場は輸出が低調な状態が続いている。加えて、今週も南半球のブラジルなどのコーン産地が生育に適した天候となっており、買いの材料に乏しい状態となっている。来年の作付けの話題が出るまではコーン相場はこのままの状態が続くのではないだろうか。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。