USDAクロップレポート(つらつらコラム2019年8月27日)

図1 大豆5分足(出展元 サクソバンク証券株式会社
図2 コーン5分足(出展元 サクソバンク証券株式会社

昨日の穀物相場は、天候要因以外での変動が大きかった。1つには日米貿易交渉で日本側がアメリカの余剰コーンを購入すると表明したことで、穀物市場全体に買いが入って上昇で始まったこと。ここで、私見だが日本政府のコーンの購入は、第1にコーンの価格が下落傾向にあり買い時であること、第2に対中貿易問題で農産物の輸出に悩むアメリカに恩を売る形となること、この2点だけでも悪くない取引だったのではないかと考えている。その後、米中貿易摩擦で先週関税率の引き上げが発表されたことによる寄付きの下落と、日本時間16時過ぎに中国側から電話で米中貿易協議継続の申入れがあったと報道されたことによる上昇した。立会時間は大豆はUSDA(アメリカ農務省)が発表する週間輸出成約で、輸出量自体は前週を下回ったものの、多くの中国向け大豆輸出が含まれたことも好感し上昇した。一方でコーンはアメリカのコーンベルトで降雨が続き、乾燥による作柄懸念が後退したため立会時間は下落の流れとなった。
さて、月曜日にUSDAが発表したクロップレポートと先週末時点での建玉数の中身を見ていきたい。

大豆のクロップレポートは以下の表の通りで開花率が1週間遅れで平年並みに追い付いてきている。作柄は良以上55%、劣以下13%となり気温の低下と降雨により若干の改善が見られる。

大豆今週前週前年平年
開花率94%90%99%96%
着サヤ率79%68%94%91%
作柄予想
良以上55%53%66%
劣以下13%14%11%

次にCFTC(アメリカ商品先物取引委員会)発表のここ5週間の大豆の建玉数は以下の通り。

総建玉大口投機家
買玉
大口投機家
売玉
差引大口当業者
買玉
大口当業者
売玉
差引
7/23666,535144,732140,6124,120320,538307,18313,355
7/30605,996137,762149,045-11,283294,805266,68128,124
8/6633,067145,955171,432-25,477314,574271,83042,744
8/13622,488151,720169,367-17,647305,577272,00233,575
8/20642,876153,047174,787-21,740312,853275,64937,204
図3 2019大豆建玉数(出展元 CFTC

図3は2019年の大豆建玉数の推移。総量では当業者の買玉が多い。ファンドは直近の4週間で売玉を増加させている。米中間の貿易摩擦激化による大豆の需要低下を見越していると思われる。これは、アメリカの対中関税率引き上げなどがあったため的中している形。投機筋はさらに売りが膨らむとみているようだ。

コーンのクロップレポートは以下の表の通りで、まだ平年より1週間程度生育が遅れており遅れを取り戻し切ってはいない。作柄は良以上57%、劣以下13%と気温の低下と降雨により前週より若干改善している。

コーン今週前週前年平年
ドウ率71%55%91%87%
デント率27%15%59%46%
作柄予想
良以上57%56%68%
劣以下13%14%12%

次にCFTC発表のここ5週間のコーンの建玉数は以下の通り。

総建玉大口投機家
買玉
大口投機家
売玉
差引大口当業者
買玉
大口当業者
売玉
差引
7/231,783,259456,035168,999287,036719,0231,067,732-348,709
7/301,781,850433,096191,437241,659721,8501,308,880-317,303
8/61,814,664424,347202,727221,630761,2841,059,110-297,826
8/131,765,396415,025253,386161,639762,6621,001,090-238,428
8/201,743,824415,713321,62994,084760,654942,256-181,602
図4 2019コーン建玉数(出展元 CFTC

図4は2019年のコーン建玉数の推移で、最近2か月は総売玉の方が総買玉より多くなっていることとファンドの買玉が売玉を上回る状況に変化はないが、直近3週間でのファンドの売玉が増加しつつあり、収穫期前に次第にトレンドが変わりつつあるようだ。

コーンベルトの今日現在の天候は広範囲で散発的な雨で気温は平年以下となっている。十分な雨が降っていることで、これまで乾燥状態にあったインディアナ州やイリノイ州、オハイオ州では生育が改善し、作柄の更なる回復が見込まれる。一方で、気温が低下し過ぎているため、作付け遅れから後半に作付けされた地域を中心に、生育遅れ懸念が出始めているが、全体として作柄は上向いており今週も売り材料となるだろう。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。