ホルムズ海峡に潜む原油相場上昇の可能性(つらつらコラム2019年6月20日)

1週間前の13日にペルシャ湾の入り口にあたるホルムズ海峡付近のオマーン湾で日本とノルウェーのタンカーが攻撃を受けたというニュースが入った。まず、その時のチャートを振り返ってみたい。

先週の原油チャート

先週の原油はアメリカとメキシコが不法移民対策で合意し対立が回避されたこともあり、月曜日(10日)から水曜日(12日)にかけて下落傾向が続いていたが、このニュースが入ったことで2ドル以上跳ねあがった。(チャート中の下向き矢印、データ出典Investing.com)

ホルムズ海峡の北側にはイランがあり、南側にはイランと対立するサウジアラビアとバーレーンを拠点とするアメリカがにらみ合っている。海峡の先のペルシャ湾には世界有数の原油産出国であるサウジアラビア、UEA、クェート、イラクなどが存在しており、世界中で流通する原油の約20%が、このホルムズ海峡を石油タンカーで通過する。その潜在的なリスクが思い出された形となる。

この時は相場はまもなく落ち着きを取り戻したが、今後もタンカーへの攻撃が続いた場合やアメリカ・サウジアラビアとイランの間の対立がより激しさを増した場合、2003年からおよそ10年間に及んだイラク戦争時の原油相場のように(要因はそれだけではないけれども)戦争前の1バレル30ドル以下の水準から100ドル超が通常となるまで上昇することがありうる。当時と異なり、シェール革命によりアメリカが原油輸出国に転じていることから、それ以上の水準にはならないと楽観的に考えられるものの、ホルムズ海峡をめぐるニュースへの注視が今後も必要だろう。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。